うかいは9月戻り高値から反落したが足元で下げ渋り感、短期調整が一巡して切り返しのタイミング

  高級料理店うかい <7621> (JQS)の株価は、9月25日の戻り高値2389円から株主優待の権利落ちで反落し、その後は全般地合い悪化も影響して10月10日と16日には2101円まで調整した。ただし17日には前日比40円高と反発して下げ渋り感を強めている。短期調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。   飲食事業(高級和食・洋食店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。新たな成長ステージに向けた戦略として、商圏1万キロに向けたブランド構築、新業態の定着と新規出店、海外へのブランド発信と海外企業との業務提携、サービス向上のための人材育成、製菓工房「アトリエうかい」の本格稼働、和食店のお土産品強化、物販における販路開拓などを推進している。   14年4月には、国内で4年ぶりの新店となる新業態の割烹料理店「銀座kappou ukai(呼称:割烹うかい)」をオープンした。海外は13年5月に、台湾・高雄市FIHリージェントグループホテル内レストランのコンサルティング契約を締結して海外初出店を決定し、16年オープンに向けて準備を進めている。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しについては、前回予想(5月19日公表)を据え置いて売上高が前期比4.4%増の125億55百万円、営業利益が同27.8%増の4億91百万円、経常利益が同30.2%増の4億26百万円、純利益が同11.7%減の2億31百万円としている。純利益は繰越欠損金解消に伴う税金費用増加が影響する。配当予想は前期と同額だが期末一括の年間15円としている。   圏央道相模原愛川IC~高尾山IC間の開通に伴う商圏拡大効果、コースメニューの見直しやアトリエ商品の販売による客単価上昇効果、そして4年ぶりの新店「銀座kappou ukai」が寄与する。増収効果で人件費の増加や創業50周年関連の販促広告費を吸収して営業増益見通しだ。なお既存店売上高は同104.4%の計画としている。   月次売上高(前年比、アトリエうかいの店頭販売含む)を見ると14年9月は全店が99.6%、既存店が97.7%だった。ただし9月の客単価は全店が101.7%、既存店が100.8%となり、いずれも13年3月から19ヶ月連続の前年比プラスだった。高額消費の流れは継続しているようだ。なお14年4月~9月累計の売上高は全店が100.7%、既存店が98.1%だった。   第1四半期(4月~6月)は前年同期比0.6%増収で、新店「銀座kappou ukai」開業費が影響して同42.3%営業減益、同60.7%経常減益、同67.1%最終減益だったが、通期ベースでは好業績が期待されるだろう。   中長期計画では17年3月期売上高127億53百万円、営業利益6億40百万円を目標値として掲げている。ブランド認知度の向上、商圏の拡大、高額消費の活発化、訪日外国人観光客の増加に加えて、13年12月に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことも追い風だ。中期的に収益拡大基調だろう。   株主優待制度については5月19日に実施時期の変更を発表し、従来の毎年3月期末から毎年9月中間期末に変更して14年9月末から実施した。そして8月8日に優待内容の変更を発表した。箱根ガラスの森入場招待券1500円×10枚(1万5000円相当)を廃止し、代わりに100株以上所有株主に対して箱根ガラスの森株主限定食事付入場招待券5枚(1万5000円相当)を贈呈する。その他の優待内容に関しては所有株式数に応じた食事優待券または特選うかい牛肉で変更はない。   株価の動きを見ると、9月25日の戻り高値2389円から株主優待の権利落ちで反落し、その後は全般地合い悪化も影響して10月10日と16日には2101円まで調整した。ただし17日には前日比40円高と反発して下げ渋り感を強めている。   10月17日の終値2150円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS44円98銭で算出)は48倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS925円47銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線が下値を支えて下げ渋り感を強めている。短期調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
高級料理店うかい<7621>(JQS)の株価は、9月25日の戻り高値2389円から株主優待の権利落ちで反落し、その後は全般地合い悪化も影響して10月10日と16日には2101円まで調整した。
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2014-10-20 11:00