ピックルスコーポレーションはTOBによる自己株式取得を好感、調整一巡して高値圏目指す

  漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション <2925> (JQS)の株価は、7月の戻り高値865円から反落して770円~810円近辺でモミ合う展開だったが、TOBによる自己株式取得を好感して10月17日に前日比48円(6.12%)高の833円まで急伸する場面があり、モミ合い上放れの動きを強めた。今期(15年2月期)業績見通し上振れの可能性、さらに低PERや低PBRも支援材料であり、調整が一巡して高値圏を目指す展開となりそうだ。   漬物・浅漬・キムチなど漬物製品の最大手メーカーで、主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が大幅に向上して収益力が高まっている。セブン&アイ・ホールディングス <3382> などの大手量販店・コンビニエンスストアが主要取引先であり、ブランド力向上と新製品積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などで中期成長期待は強い。   事業エリア拡大や供給能力増強に向けた動きも加速し、中・四国エリアでは広島新工場(ピックルスコーポレーション関西)、北海道エリアでは既存の食品工場を買い取った札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)が稼動している。   10月3日に発表した今期(15年2月期)第2四半期累計(3月~8月)の連結業績は売上高が前年同期比4.8%増の141億22百万円、営業利益が同12.0%減の6億77百万円、経常利益が同16.7%減の7億19百万円、純利益が同50.3%減の2億69百万円だった。純利益については子会社ピックルスコーポレーション札幌の旧工場の固定資産減損損失1億32百万円を計上したため計画を下回ったが、売上高、営業利益、経常利益は概ね計画水準だった。   全国の製造・販売拠点を活用した営業活動、CMなどの広告宣伝活動、新製品開発・投入や他の食品メーカーとのコラボレーション、売場提案などの販売促進活動を積極的に推進した効果で、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓が進展し、キムチ製品や惣菜製品の販売が好調だった。利益面では天候不順による原料野菜仕入価格の高騰や、子会社ピックルスコーポレーション札幌の許容量を超える生産による収益性低下が影響して営業減益だったが、期初計画を上回った。   通期の連結業績見通しは前回予想(4月15日公表)を据え置いて売上高が前期比6.4%増の273億円、営業利益が同32.5%増の11億30百万円、経常利益が同26.0%増の12億25百万円、純利益が同21.3%増の7億38百万円、配当予想が前期と同額の年間12円(期末一括)としている。   積極的な広告宣伝・販売促進活動の効果で既存取引先への拡販や新規取引先の開拓が進み、キムチ製品や惣菜製品の販売が好調に推移する。増収効果による売上総利益の増加、天候不順による原料野菜仕入価格高騰という一過性マイナス要因の一巡、原価改善活動の効果、さらに販管費でのテレビCMなど広告宣伝費の集中投入も一巡して営業増益見込みだ。   通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.7%、営業利益が59.9%、経常利益が58.7%、純利益が36.5%で、営業利益と経常利益の進捗率は高水準である。野菜価格が落ち着けば通期利益上振れの可能性が高まるだろう。   キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓、新製品の開発・投入や他の食品メーカーとのコラボレーション、事業エリア拡大と供給能力増強、契約栽培拡大などによる原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直しなど重点戦略を着実に推進している。中期的に収益拡大基調だろう。   10月16日、TOB(株式公開買付)による自己株式取得を発表した。親会社である東海漬物の保有割合を引き下げて、親会社の経営戦略の影響を受けずに当社独自の経営判断で企業価値向上を図ることのできる体制を構築する。TOBによる買付予定株式数140万株、買付期間10月17日~11月17日、買付価格725円で、親会社である東海漬物が保有する当社株式267万6700株(保有割合41.84%)のうち140万株(同21.88%)についてTOBに応募する。残りは当面保有する意向だが、本TOBにより東海漬物は当社の親会社ではなくなり、その他の関係会社に該当する見込みだ。   なおTOBを含めた自己株式取得は、取得株式総数の上限が140万100株(発行済株式総数に対する割合21.88%)、取得価額総額の上限が10億1507万2500円、取得期間が10月17日~12月31日としている。   株価の動きを見ると、7月の戻り高値865円から反落して概ね770円~810円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だったが、第2四半期累計業績を好感する動きや全般地合い悪化の影響が交錯して、やや値幅を大きくしている。そして10月17日には、16日発表のTOBによる自己株式取得を好感して前日比48円(6.12%)高の833円まで急伸する場面があり、モミ合い上放れの動きを強めた。   10月17日の終値815円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円54銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1146円90銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると一旦割り込んだ26週移動平均線を素早く回復した。今期業績見通し上振れの可能性、さらに低PERや低PBRも支援材料であり、調整が一巡して高値圏を目指す展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、7月の戻り高値865円から反落して770円~810円近辺でモミ合う展開だったが・・・。
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2014-10-20 11:00