外資の「中国市場撤退」はありえない? 「赤字の大企業でさえも」と有識者=中国メディア

9月における海外から中国への直接投資(FDI)が前年同月比1.9%増になったことについて、中国メディアの人民日報は専門家の意見として、「一時期、外国資本が中国から撤退しているというデマがあったが、中国は今なお外国資本にとって魅力的な市場だ」と強調した。
記事は、中国国内の人件費上昇のほか、先進国で製造業の国内回帰の流れが生まれたことによって中国へのFDIは近年、変動幅が大きくなりつつあると指摘する一方、「近年になり、中国へのFDIについて時おり波乱が発生するが、それでも力強さを失っていない」と主張した。さらに国際連合貿易開発会議の報告書を引用したうえで、2013年における対中FDIの総額は1240億ドル(約13兆2493億円)に達し、米国に次いで世界第2位だったと論じた。
14年7月および8月の対中FDIが2カ月連続で減少したことで、市場では「外国資本が中国から撤退している」というデマが持ち上がったとする一方、中国政府・商務部の沈丹陽報道官がこのほど「中国は今なお世界でもっとも魅力的かつ成長速度の速い市場だ」と主張したことを紹介。
さらに沈丹陽報道官が対中FDIが今後も伸び続けると推測している背景として、「中国の政治や経済が安定していること、市場の潜在力が極めて大きいこと、優秀な人材が多いこと、各種インフラが整備されていること、各産業における周辺ビジネスが充実していること」などを挙げたと伝えた。
また記事は、「中国への投資環境は日々改善している」と主張し、中国に投資している企業の85%は中国で黒字を達成しているほか、90%以上の企業が中国での投資を拡大する意向を持っていると主張。
続けて、中国研究院国際市場研究部の白明副主任による発言を引用し、「グローバル企業は中国を戦略的市場に位置づけており、赤字の大企業ですら簡単に撤退はできない市場が中国だ」と主張。さらに環境保護やバイオ産業などにおいては極めて大きな潜在力があり、中国市場は外国資本にとっては非常に魅力的なはずだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
9月における海外から中国への直接投資(FDI)が前年同月比1.9%増になったことについて、中国メディアの人民日報は専門家の意見として、「一時期、外国資本が中国から撤退しているというデマがあったが、中国は今なお外国資本にとって魅力的な市場だ」と強調した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-10-20 15:00