トレジャー・ファクトリーは中期成長力を評価して上昇トレンド継続

  リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー <3093> (東マ)の株価は、長期上昇トレンドで10月9日の2177円まで上伸した。第2四半期累計(3月~8月)業績発表で一旦利益確定売りが優勢になり、全般地合い悪化も影響して17日の1850円まで調整したが、20日には2050円まで切り返している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、今期(15年2月期)業績見通し増額期待も支援材料となって上値追いの展開だろう。   首都圏を中心に総合リユースショップ(総合業態)や服飾専門リユースショップ(服飾業態)などを直営とFCで展開している。前期(14年2月期)末の店舗数は、直営総合業態47店舗、直営服飾業態21店舗、新業態の古着アウトレット1店舗、FC総合業態4店舗の合計73店舗である。   関西圏への新規出店を加速させ、13年5月総合業態の関西1号店・神戸新長田店、13年10月服飾業態の関西1号店・尼崎店、14年3月関西3号店で大阪府初出店となる総合業態・岸和田店、14年7月関西4号店となる総合業態・八尾店をオープンした。新業態のスポーツ・アウトドア用品専門リユースショップ「トレファクスポーツ」は、1号店となる青葉台店(横浜市)を9月にオープンした。   ネット通販も強化して13年4月に楽天市場へ出店した。また新規事業では10年10月からブランドバッグ&ファッションのオンラインレンタルサービス「Cariru」を運営し、14年7月にはマタニティドレスのレンタルサービスも開始した。   9月30日には、ファーストザウェーブ(東京都港区)のインターネット上のファッションリユース分野に強みを持つ「ブランドコレクト」事業を譲り受ける(事業譲受は10月15日)と発表した。譲受の内容は「ブランドコレクト」のウェブサイト、フルフィルメントセンター1拠点、ブランドコレクト原宿店1店舗である。インターネット上の事業展開を加速するとともに、都心型店舗の新業態を追加してファッションカテゴリーを強化する方針だ。   10月10日発表の今期(15年2月期)第2四半期累計(3月~8月)の業績(7月11日に増額修正)は、売上高が前年同期比16.2%増の49億18百万円、そして営業利益が同55.3%増の4億28百万円、経常利益が同54.3%増の4億44百万円、純利益が同53.3%増の2億43百万円だった。   直営店の品目別売上高は、電化製品が同19.5%増収、家具が同18.5%増収、衣料・服飾雑貨が同18.5%増収と大幅に増加した。既存店は売上高が同7.9%増収と好調に推移し、平均販売価格は約10%上昇した。値引率の低下も寄与して売上総利益率は同0.3ポイント上昇した。   第2四半期累計は期初計画を上回ったが、通期の業績(非連結)見通しについては前回予想(4月11日公表)を据え置いて売上高が前期比10.8%増の101億11百万円、営業利益が同4.3%増の7億40百万円、経常利益が同3.1%増の7億53百万円、純利益が同4.5%増の4億36百万円としている。配当予想(7月11日発表の14年9月1日付株式2分割に伴って修正)は年間11円(期末一括)としている。14年9月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前期比2円増配となる。   テレビCM効果による知名度上昇、新規出店(年間10店舗程度)、既存店の収益力強化、一般買取の強化、ネット事業の強化などで増収増益見通しだ。新規出店費用などを考慮して通期見通しを据え置いたが、通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.6%、営業利益が57.8%、経常利益が59.0%、純利益が55.7%と高水準である。月次売上は好調であり、通期業績見通しも増額が濃厚だろう。   月次売上(直営店の店舗売上、前年比速報値)を見ると、14年9月は全店が121.6%、既存店が114.0%だった。販売単価の高い生活家電・家具が引き続き好調に推移した。衣料・服飾雑貨では気温低下で秋物が好調だった。既存店は7ヶ月連続の前年比プラスであり、9月は今期最も高い伸び率だった。なお9月の新規出店は1店舗で、14年9月末時点の店舗数は77店舗となった。   リユース市場は拡大基調であり、中期成長に向けて直営店舗網の拡大や業態の多様化を加速させる方針だ。首都圏や関西圏を中心に年間10店舗程度の新規出店で100店舗体制構築を当面の目標としている。既存店の収益力強化策や新業態・新規事業の積極展開も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動き(14年9月1日付で株式2分割)を見ると、長期上昇トレンドが続いて10月9日には2177円まで上値を伸ばした。第2四半期累計業績発表で一旦利益確定売りが優勢になり、全般地合い悪化も影響して10月17日に1850円まで調整する場面があったが、10月20日には2050円まで切り返している。中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。   10月20日の終値2028円を指標面(株式2分割後)で見ると、今期予想PER(会社予想EPS78円46銭で算出)は25~26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は0.5%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮したBPS438円36銭で算出)は4.6倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって長期上昇トレンドの形だ。今期業績見通し増額期待も支援材料となって上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー<3093>(東マ)の株価は、長期上昇トレンドで10月9日の2177円まで上伸した。
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2014-10-21 09:15