インテリジェントウェイブは調整一巡感、収益改善基調を評価して切り返し局面
システムソリューション事業のインテリジェントウェイブ <4847> (JQS)の株価は、9月9日の年初来高値391円から利益確定売りで反落し、その後の全般地合い悪化も影響して10月17日の260円まで調整した。ただし20日には280円まで反発して調整一巡感を強めている。収益改善基調を評価して切り返し局面だろう。
大日本印刷 <7912> の連結子会社で、金融システムソリューション事業とプロダクトソリューション事業を展開している。クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・ハードウェア販売・保守サービスが収益柱だ。
今期(15年6月期)から報告セグメントを変更した。金融システムソリューション事業(従来のカードビジネスのフロント業務とシステムソリューション業務)は金融業界やシステム開発会社向けのソフトウェア開発を中心としたソリューションを提供し、プロダクトソリューション事業(従来のセキュリティシステム業務とその他)はパッケージ製品を中心にソリューションを提供する。
中期的には、マイナンバー制度導入に伴う金融関連の開発案件受注増加が期待され、カードビジネスのフロント業務関連から精算システムなどの基幹業務関連への事業領域拡大、ビッグデータ関連への参入などを目指している。14年2月にはジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携した。
新規事業では、自社開発コミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化している。口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が簡単な質問に自動応答するシステムだ。企業ウェブサイトの満足度を高めるツールとして、全日空ウェブサイト「よくある質問」ページにQ&AナビゲーターAmy(エイミー)として導入されている。
10月17日には米Rapid7社と国内販売代理店契約を締結し、同社のIT資産脆弱性管理ツールの販売を開始すると発表した。また10月29日~31日に幕張メッセで開催される「第4回情報セキュリティEXPO【秋】」に出展し、米パロアルトネットワークス社の革新的な次世代エンドポイントセキュリティ製品の概要を紹介すると発表した。
今期(15年6月期)の連結業績見通し(8月6日公表)は売上高が前期比2.4%減の64億円、営業利益が同2.6倍の3億80百万円、経常利益が同2.2倍の4億円、純利益が同2.9倍の2億50百万円、配当予想が前期と同額の年間5円(期末一括)としている。前期までの収益悪化の主要因だった不採算プロジェクトが収束して収益改善基調だ。
セグメント別の計画を見ると、金融システムソリューション事業は売上高が同5.4%減の57億円、営業利益(全社費用等調整前)が同19.0%増の12億60百万円、プロダクトソリューション事業は売上高が同31.6%増の7億円、営業利益が1億円の赤字(前期は2億円の赤字)としている。
金融システムソリューション事業ではハードウェア販売が反動減となるが、ソフトウェア開発がカード系を中心に堅調に推移し、前期第1四半期(7月~9月)まで残ったカードビジネスのフロント業務における不採算プロジェクトの影響が一巡する。プロダクトソリューション事業では、大日本印刷との連携強化で「Face(フェイス)コンシェル」関連の拡販を見込み、セキュリティ関連の保守サービスも堅調に推移する見込みだ。
クレジットカード・金融業界では、システム・ハードウェア更新投資に加えて、ブランドプリペイドカードやモバイル端末決済など、新たな決済サービス提供に向けたIT投資が高水準に推移する見込みだ。不採算プロジェクトの一巡、新規事業の拡販なども寄与して一段の収益改善が期待されるだろう。
株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、9月9日の年初来高値391円から利益確定売りで反落し、300円近辺から9月29日の350円まで一旦は切り返したが、その後は全般地合い悪化も影響して10月17日の260円まで調整した。ただし20日には280円まで反発して調整一巡感を強めている。
10月20日の終値280円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS9円49銭で算出)は30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS169円00銭で算出)は1.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、2月~5月の年初来安値圏240円近辺まで下押すことなく反発の動きを強めている。収益改善基調を評価して切り返し局面だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システムソリューション事業のインテリジェントウェイブ<4847>(JQS)の株価は、9月9日の年初来高値391円から利益確定売りで反落し、その後の全般地合い悪化も影響して10月17日の260円まで調整した。
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2014-10-21 09:15