三越伊勢丹は小反落、百貨店・コンビニ店の9月売上高に落差も材料出尽くし感
三越伊勢丹ホールディングス <3099> は、10円安の1306円と小反落して始まっている。前日20日の後場取引時間中に日本百貨店協会が、全国百貨店の9月の月次売上高、日本フランチャイズチェーン協会が、大引け後に9月の全国コンビニエンスストア既存店売上高をそれぞれ発表、いずれも前年同月を下回ったものの、消費税増税前の駆け込み需要の反動減の解消については百貨店の方がより明らかな結果となったが、これを明確化している同社株には、前日に急反発しただけに材料出尽くし感から利益確定売りが先行している。
同社は、すでに10月1日に9月売上高速報を発表、2カ月連続で前年同月比プラスとなった。これに対してコンビニ株は高安マチマチで、なかでも今年10月8日に今2月期業績を下方修正したファミリーマート <8028> は、悪材料織り込み済みとして55円高の4115円と続伸して始まり、10月9日につけた年初来安値3985円から底上げしている。
■百貨店売上高は6カ月連続だがマイナス幅は縮小
9月の全国百貨店売上高は、前年同月比0.7%減と今年4月の12.0%減以来6カ月連続で前年同月を下回った。消費税増税前の駆け込み需要が寄与して今年3月に25.4%増と大きく伸びたあと、この駆け込み需要の反動減でマイナス推移が続き、9月については、中旬までの気温低下で主力商材の秋冬物の衣料品がよく動き消費税増税後初めて前年同月実績をクリアしており、日曜日が、前年同月より1日少なかったことで連続マイナスとなったが、これを勘案すれば、実質はプラスであり、駆け込み需要の反動減が和らいでいることを示唆した。
一方、9月のコンビニエンスストア売上高は、全店ベースでは、店舗数が前年同月比5.3%増となったことで同3.2%増と19カ月連続で前年同月を上回ったが、既存店ベースでは1.3%減と6カ月連続で前年同月を下回った。駆け込み需要が顕著だったたばこなどへの消費税増税の影響が長引き、気温の低下で冷し麺やアイスクリームなどが不調となり、既存店の来店客数が、1.0%減と7カ月連続でマイナスとなり、客単価も、0.3%減と3カ月ぶりにマイナスに転じたことなどが響いた。
このなかで三越伊勢丹が、10月1日に速報した9月の月次売上高は、前年同月比2.3%増と8月に続いて前年同月を上回り、三越銀座店は、外国人観光客の購買寄与などで8.3%増と20カ月連続のプラスと、同業他社やコンビニ店各社を上回る好調推移となっている。
■空港型免税店開設や月次売上高の連続プラスで2割高して仕切り直し
三越伊勢丹HDの株価は、今2月期業績の減益転換予想で25日移動平均線を出没する中段固めを続け、今期第1四半期業績の減益転換観測報道を受け1216円安値でダメ押しして、三越銀座店での空港型免税店の開設、10月1日からの免税対象商品の拡大、月次売上高の連続プラスなどで1450円の戻り高値まで買い進まれ、全般急落相場にツレ安してほぼ往って来いの調整をした。PERは25倍台と割高だが、PBRは0.9倍と割り負けており、売り長で逆日歩のつく信用好需給もサポートして仕切り直し、一段の戻りを試そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東1)は、10円安の1306円と小反落して始まっている。
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2014-10-21 10:45