スターティア:短期調整が一巡して切り返しのタイミング、中期成長力を評価

  電子書籍関連のスターティア <3393> の株価は、急伸した9月30日戻り高値1940円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して10月17日の1552円まで調整した。しかし8月安値圏まで下押すことなく20日と21日は1600円台に戻している。短期調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。なお10月31日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。   電子ブック作成ソフト「ActiBook」を主力として、Webアプリケーションを開発・販売するウェブソリューション関連事業、ネットワークアウトソーシング環境やクラウドサービスなどを提供するネットワークソリューション関連事業、ビジネスホンやMFP(複合機)などOA機器を販売するビジネスソリューション関連事業を展開している。   大手と競合しない全国中堅・中小企業をターゲットとして、ITインフラのワンストップソリューションを提供するとともに、ストック型収益の向上を推進している。アジア市場へも本格的に事業展開する方針だ。   14年8月には、ホスティングサービス運用、自社データセンターの保有、独自のハードウェア開発などを展開するエーティーワークス(富山県富山市)の第三者割当増資を引き受けて資本・業務提携した。また個人・法人向けに年間10万件以上のPCトラブル訪問サービスを展開する日本PCサービス(大阪府吹田市)と業務提携した。   9月30日に100%出資子会社クロスチェックの設立(10月中旬)を発表した。請求代行業務、回線敷設代行業務などを展開する。一括請求という商材を基盤としてカスタマーとのリレーションを築き、幅広い分野への営業展開を行い、全てのカスタマーに対してワンストップサービスを提供するためとしている。   また9月30日には、就職活動支援サイトを運営するカケハシプロモーション(東京都新宿区)の第三者割当増資を引き受けて(10月中に45%相当の株式を取得)資本業務提携すると発表した。当社の新卒採用活動においてカケハシプロモーションの支援を受けるなどの取り組みを推進する。なお今回取得する株式は議決権制限付きのため連結対象の範囲外となる。   なお10月15日には、有限責任監査法人トーマツが発表したテクノロジー・メディア・テレコミュニケーション(TMT)業界の収益(売上高)成長ランキング「第12回デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 日本テクノロジー Fast50」において、直近3年間の売上高成長率60.6%を記録して45位を受賞したと発表している。3年連続での受賞となる。   今期(15年3月期)の連結業績見通しについては、前回予想(5月9日公表)を据え置いて、売上高が前期比13.2%増の92億48百万円、営業利益が同1.3%増の8億40百万円、経常利益が同1.2%増の8億66百万円、純利益が同0.2%増の4億33百万円としている。   配当予想(7月25日と8月22日に配当方針の変更と配当予想の増額を発表)は年間12円83銭(第2四半期末4円28銭、期末8円55銭)としている。前期の年間15円(期末一括)との比較では2円17銭減配の形だが、前期は記念配当6円45銭を含んでいるため、普通配当に関しては4円28銭増配となる。   セグメント別売上高の計画はウェブソリューション関連事業が同13.3%増の22億02百万円、ネットワークソリューション関連事業が同18.8%増の25億67百万円、ビジネスソリューション関連事業が同10.2%増の44億79百万円で、ウェブソリューションの「ActiBook」やネットワークソリューションのネットワーク関連機器が好調に推移する。   利益面では、新卒84名の採用、ホスティングサービスでのセキュリティ強化、アジア地域への事業展開など、中期成長に向けた先行投資負担の影響で微増益見通しとしているが、第1四半期(4月~6月)は前年同期比10.6%増収で、営業利益、経常利益、純利益とも黒字化し、期初計画を上回った。ストック収益も拡大基調であり、通期会社見通しに上振れ余地があるだろう。   14年7月発表の「新・中期3ヵ年利益計画」では、連結経常利益の目標値として15年3月期8億86百万円、16年3月期11億34百万円、17年3月期14億円を掲げている。初年度15年3月期は先行投資負担で小幅な伸びにとどまるが、2年目16年3月期以降は先行投資を平常に戻しつつ、安定的な成長を継続するとしている。さらなる規模拡大や継続的成長に向けて、M&Aなど積極的な資本・業務提携も推進する方針だ。   なお8月12日に自己株式取得を発表し、取得株式総数の上限2万5000株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合0.49%)、取得価額総額の上限4000万円、取得期間14年8月13日~14年11月28日としている。   株価の動き(14年2月28日付で東証マザーズ市場から東証1部市場へ市場変更)を見ると、8月直近安値1451円から9月30日戻り高値1940円まで急伸した。その後は利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して10月17日の1552円まで調整した。しかし8月安値圏まで下押すことなく20日と21日は1600円台に戻して短期調整一巡感を強めている。   10月21日の終値1640円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円51銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円83銭で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS689円67銭で算出)は2.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きを強めている。短期調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
電子書籍関連のスターティア<3393>(東1)の株価は、急伸した9月30日戻り高値1940円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して10月17日の1552円まで調整した。
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2014-10-22 09:30