インテージHDは調整一巡して切り返しのタイミング、中期成長力を評価

  市場調査最大手のインテージホールディングス <4326> の株価は、10月以降の全般地合い悪化が影響して1400円近辺でのモミ合いから下放れの形となり、10月16日の1273円まで調整した。ただし足元では1300円台に戻して調整一巡感を強めている。中期成長力を評価して切り返しのタイミングだろう。なお11月7日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。   13年10月に持株会社へ移行した。小売店パネル調査や消費者パネル調査などの市場調査・コンサルティング事業を主力として、システムソリューション事業、医薬品開発支援事業にも事業領域を広げている。   国内外における積極的なM&A戦略で業容を拡大している。11年9月にベトナムの市場調査会社FTA、12年9月に医療情報総合研究所、12年11月に医療関連インターネット調査会社プラメド、13年8月に香港の市場調査会社CSG香港を子会社化した。14年5月には子会社INTAGE INDIAがインドの市場調査会社RSMRS社の株式を取得してグループ化した。   アライアンス戦略では、12年4月にNTTドコモ <9437> と合弁会社ドコモ・インサイトマーケティングを設立、13年10月に韓国の業界4位の市場調査会社Hankook Researchと包括的な事業協力を締結、13年11月にインドネシアの市場調査会社DEKA社と合弁会社を設立している。収益力強化に向けてグループ再編も進め、14年6月には連結子会社アスクレップの臨床開発事業を承継したエーケーピーを伊藤忠商事 <8001> に譲渡した。アスクレップは医薬情報事業を継続する。   また9月29日に子会社インテージ、一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会の共同プロジェクトで開発した「SRI一橋大学消費者購買指数」の公表開始を発表した。さらに10月2日には京都コンステラ・テクノロジーズと資本業務提携すると発表した。同社が開発した医薬品有害事象情報システムの販売代理、および関連事業で連携する。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(8月8日公表)は売上高が前期比3.5%増の440億円、営業利益が同8.7%減の32億円、経常利益が同11.3%減の30億円、純利益が同66.2%増の27億30百万円、配当予想(5月12日公表)が同2円50銭増配の年間30円(期末一括)としている。   営業利益と経常利益はアスクレップの臨床開発事業を承継したエーケーピーを伊藤忠商事に譲渡した影響で減益、純利益は関係会社株式売却益を計上して大幅増益見通しとしている。売上面では市場調査・コンサルティング事業で市場パネル調査が好調に推移し、大型の官公庁案件の受注も寄与する見通しであり、通期会社見通しには上振れ余地がありそうだ。   14年5月に発表した第11次中期経営計画では、重点課題として主力事業再強化による市場価値向上、「モバイル&シングルソース」「グローバル」「ヘルスケア」領域の着実な成長、リサーチの枠にとらわれない新たなビジネスモデルの模索と確立、最適化の視点による戦略立案・推進のマネジメント強化を掲げている。市場調査・コンサルティング事業の好調が牽引し、M&Aやグループ再編も寄与して収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、7月の年初来高値1520円から利益確定売りで反落し、さらに10月以降の全般地合い悪化が影響して1400円近辺でのモミ合いから下放れの形となり、10月16日の1273円まで調整した。ただし足元では1300円台に戻して調整一巡感を強めている。   10月22日の終値1330円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円73銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS846円49銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、1300円近辺で下げ渋る形だ。中期成長力を評価して切り返しのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
市場調査最大手のインテージホールディングス<4326>(東1)の株価は、10月以降の全般地合い悪化が影響して1400円近辺でのモミ合いから下放れの形となり、10月16日の1273円まで調整した。
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2014-10-23 09:15