【為替本日の注目点】ECB債券購入でユーロ続落、独PMI結果に注意

 NY市場  ドル円は欧州株が堅調だったことや、米消費者物価指数が米景気の好調さを示す結果になったことから107円38銭まで上昇。その後は株価がじり安に転じたことで下落し、107円10-15銭で引ける。ユーロドルは前日に続き売られ、1.27台前半から1.26台半ばまでユーロ安に。引き続き緩和観測が根強く、1週間振りの安値を付ける。   株式市場は4日振りに反落。朝方は前日比プラスで取引が始まったものの、このところ連騰が続いたことから、その後は軟調な展開となりダウは153ドル下落。エネルギー株の下げが目立った。債券相場はほぼ変わらず。消費者物価指数が予想外に上昇していたことで5年債が買われたが値動きは緩慢だった。金は反落。原油は在庫が増加していたこともあり大幅に反落。   9月消費者物価指数 → +0.1%   ドル/円 106.90~ 107.38  ユーロ/ドル 1.2637 ~ 1.2704  ユーロ/円 135.43 ~ 135.94  NYダウ -153.49 → 16,461.32ドル  GOLD -6.20   → 1,245.50ドル  WTI -2.29     → 80.52ドル  米10年国債 -0.008   → 2.219%  本日の注目イベント  中   中国 10月HSBC製造業PMI(速報値)   独   独10月製造業PMI(速報値)   独   独10月サービス業PMI(速報値)   欧   ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)   欧   ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)   欧   ユーロ圏10月消費者信頼感(速報値)   欧   EU首脳会議   英   英9月小売売上高   米   新規失業保険申請件数   米   8月FHFA住宅価格指数   米   9月景気先行指標総合指数   米   決算発表 →マイクロソフト、アマゾン、GM   前日1.28台前半から急落したユーロドルは、昨日の欧州市場で1.27台を割り込み下げ足を速めています。NY市場では1.2637まで売られ、10月15日以来1週間ぶりの安値までユーロ安が進んできました。ユーロ圏の銀行で11行がストレステストで不合格になるとの報道や、ECBによるカバードボンドの購入がユーロ売りにつながった模様です。ブルームバーグによると、ECBは20日に開始した債券プログラムの下で、これまでにフランスとポルトガルのカバードボンドを購入しており、関係者の話として前日にはイタリア債やドイツ債も購入したと伝えています。ECBは27日に、購入した額を公表することになっています。  ユーロドルは10月3日に1.25近辺まで下落した後買い戻しが進み、1.28台半ばまでユーロ高に転じましたが、ECBが債券購入プログラムを実施したことで再び1.25を目指す動きになっています。欧州の景気低迷が鮮明であることから、米国との政策の方向性の違いからドル買いユーロ売りがさらに進めば節目の1.25を割り込み一段とユーロ安が進むと予想しています。本日夕方には、ドイツやユーロ圏のPMIが発表されます。特にドイツのPMIが景気後退を示す結果になると、ユーロ売りが一段と進むことも予想されることから注意が必要です。発表は16時30分と予定されています。  ドル円はやや落ち着きを取り戻し、107円を挟む展開になって来ました。これまでに述べてきたように、依然として107円45-50銭辺りのレジスタンスは抜け切れてはいませんが、105円台では買い安心感も出てきたように思います。依然として米国株の行方に左右される展開は変わりませんが、その米国株は高いボラティリティーが続いていることから、ドル円もまだ先行き波乱含みかと思われます。  NYダウは10月に入って昨日まで15営業日を数えましたが、上げ下げの値幅が3桁(100ドル以上)を超えなかった日は僅か5日しかありません。2008年のリーマンショック以来市場に大量に資金が供給されたQEがいよいよ今月にも終了する見込みですが、これはまだ平時の金融政策に戻る一歩にすぎません。今後FF金利の引き上げを巡る思惑が、さらに金融市場をボラタイルにすることになります。  昨日、日本の9月の貿易収支が発表されました。輸出が伸びたことが特徴的でしたが、月間の赤字額は9583億円でした。これで今年上半期の数字が揃ったわけですが、上半期の累計では5兆4270億円の貿易赤字となり、過去最大の赤字額を計上しました。経常収支では黒字を確保しそうですが、物の動きを表す貿易収支では円を売って、ドルやユーロを買う取引が圧倒的に多いということです。ドルが下落した際には「サポート」として機能することになります。  本日のレンジは106円70銭~107円50銭程度を予想します。ユーロドルが大きく売られる展開になるとドル円でもドル買い円売りにつながる可能性がありますが、むしろユーロ円が下落する方が確率は高いように思います。これはあくまでもユーロがさらに下落基調を強めた場合のケースですが、夕方からは忙しくなりそうです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は欧州株が堅調だったことや、米消費者物価指数が米景気の好調さを示す結果になったことから107円38銭まで上昇。その後は株価がじり安に転じたことで下落し、107円10-15銭で引ける。ユーロドルは前日に続き売られ、1.27台前半から1.26台半ばまでユーロ安に。引き続き緩和観測が根強く、1週間振りの安値を付ける。 
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2014-10-23 09:45