アスカネットは調整一巡して再動意、10月末の株式4分割も支援材料

  写真加工関連のアスカネット <2438> (東マ)の株価は、9月25日の高値1万7680円から利益確定売りで反落し、地合い悪化も影響して10月16日の1万1100円まで調整した。しかし10月23日は1万2620円まで戻す場面があった。調整が一巡して再動意の構えのようだ。空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレート量産化期待に変化はなく、10月末の株式4分割も支援材料となって9月高値を試す展開だろう。   葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくい安定収益源である。また14年12月にはインターネットを活用したBtoC新サービスのリリースを予定している。   空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートについては、現状は試作品を販売してプレ量産も可能だが、低価格化と大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立を最優先課題として、独自技術を強固にするため特許申請も進めている。本格量産開始時期は未定だが、目標としては今期(15年4月期)中に量産技術を確定して本格量産に向けた設備体制等の検討に入りたいとしている。   第1四半期(5月~7月)は前年同期比4.9%増収、同3.5%営業減益、同3.2%経常減益で、純利益は同横ばいだった。売上面ではメモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業とも好調に推移した。利益面ではメモリアルデザインサービス事業でハード機器の買い換え需要が想定ほど進まなかったことや、展示会向けの広告宣伝費やインターネットを活用したBtoC新サービスに関する研究開発費など、先行費用が増加したため営業減益だったが、概ね計画水準で順調に推移している。   今期(15年4月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(6月10日公表)を据え置いて売上高が前期比4.6%増の49億84百万円、営業利益が同6.3%減の6億73百万円、経常利益が同6.9%減の6億76百万円、純利益が同2.6%減の4億34百万円としている。   セグメント別売上高の計画はメモリアルデザインサービス事業が同3.1%増の23億03百万円、パーソナルパブリッシングサービス事業が同4.2%増の26億09百万円、エアリアルイメージング事業が試作品販売で62百万円、そして新規事業のBtoC新サービス(純額手数料収入)が10百万円としている。   BtoC新サービスに関する広告宣伝費やシステム償却など、先行費用が発生するため減益見込みとしているが、売上面ではメモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業とも順調に推移する見込みだ。12月リリース予定のBtoC新サービスしだいでは、通期業績見通しに上振れ余地があるだろう。   なお10月1日に株式分割、株式分割に伴う配当予想の修正、および株式分割に伴う株主優待制度の基準変更を発表した。10月30日を基準日(効力発生日11月1日)として1株を4株に分割する。配当予想は株式4分割に伴って前回予想の年間32円(期末一括)を年間8円(期末一括)に修正したが実質的な変更はない。   株主優待制度は毎年4月30日現在の株主に対して自社サービス(マイブック)の割引利用券を贈呈している。株式4分割に伴う変更後の基準は、100株以上400株未満所有株主に対して1000円割引利用券1枚、400株以上2000株未満所有株主に対して1000円割引利用券2枚、2000株以上所有株主に対して1000円割引利用券3枚を贈呈する。   株価の動きを見ると、9月25日の高値1万7680円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して10月16日の1万1100円まで調整した。しかし足元では切り返しの動きを強め、10月23日は1万2620円まで戻す場面があった。調整が一巡して再動意の構えのようだ。   10月23日の終値1万2310円を指標面(株式4分割前)で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS103円66銭で算出)は119倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は0.3%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS879円50銭で算出)は14倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返しの動きを強めている。サポートラインを確認した形だろう。AIプレート量産化期待に変化はなく、10月末の株式4分割も支援材料となって9月高値1万7680円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
写真加工関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は、9月25日の高値1万7680円から利益確定売りで反落し、地合い悪化も影響して10月16日の1万1100円まで調整した。
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2014-10-24 09:00