【為替本日の注目点】ドル続伸108円台半ばが意識、しこり玉や実需も多い
NY市場
ドル円は目先のレジスタンスを上抜けしたことや、欧州の経済指標が予想を上回ったことを好感し続伸。NYでは株価と長期金利の上昇を手がかりに108円台に乗せ、108円36銭の高値を記録。ユーロドルはドル高が進んだ割には底堅い動き。ドイツのPMIが事前予想を上回ったことで買われる場面もあったが、1.26台半ばを中心に方向感のない展開だった。
株式市場は大幅に反発。欧州景気への懸念がやや後退したことや、キャタピラーや3Mなどの企業業績が上振れしたことを好感。ダウは216ドル上昇し、前日の下落分を取り戻す。債券相場は下落。失業保険申請件数が月間の件数で14年振りの低水準だったことや、株価の上昇などから下落基調に。10年債利回りは約2週間振りに2.27%台まで上昇。ドルが買われたことで金は大幅に続落。原油は急反発し82ドル台に。
新規失業保険申請件数 → 28.3万件
8月FHFA住宅価格指数 → +0.5%
9月景気先行指標総合指数 → +0.8%
ドル/円 107.62~ 108.36
ユーロ/ドル 1.2631 ~ 1.2672
ユーロ/円 136.30 ~ 137.00
NYダウ +216.58 → 16,677.90ドル
GOLD -16.40 → 1,229.10ドル
WTI +1.57 → 82.09ドル
米10年国債 +0.055 → 2.274%
本日の注目イベント
中 中国 9月コンファレンスボード景気先行指数
英 英7-9月期GDP(速報値)
米 9月新築住宅販売件数
米 決算発表 →P&G、UPS
米経済指標は概ね好調で、週間失業保険申請件数は月間ベースでは14年ぶりの低水準。加えて、米企業決算ではキャタピラーなどが好決算をたたき出し、米景気の好調さを示しました。先週、小売売上高などの経済指標が悪化したことで米景気への見方が急速に悪化し、ドル安、株安の連鎖が起き、ドル円は一時105円20銭を記録しました。
小売売上高などの悪化は一時的なものではないかというコメントも書きましたが、その後に発表された各種経済指標を見る限り、その可能性が高く、さらに企業決算も好調です。さらに昨日は欧州景気に対する悲観的な見方が後退し、米長期金利も2週間振りに2.27%台を回復しました。これだけ好環境が揃えば、ドルが上昇しないはずもありません。直近のドルのレジスタンスであった107円45-50銭を抜けると、ドル円はほぼ一直線で上昇し108円台に乗せて来ました。正直、予想以上の上昇力でした。
1週間で3円以上の上昇だったことで、ドル高基調は変わっていないことが確認されたと言えるでしょう。昨日も書きましたが、NY株は依然として大きな値幅を伴った動きを見せています。またこのまま110円台に戻すとも思えませんが、年末に向かって日米欧の経済成長の違いがさらに鮮明になってくると、ドル円は110円を超えてくる可能性は十分あると予想しています。ドル円は既に「4時間足」までの抵抗帯は上抜けしています。特に「4時間足」の120日線と200日線が集まっていた、108円10-20銭を抜けた意味は小さくはありません。この上のレジスタンスを見ると、「8時間足」の雲の上限である108円台半ばが意識されます。抜けるかどうかは本日の日本株次第ということになります。
興味深いのは豪ドル円の動きです。91円台後半から緩やかにじり高の動きを見せ、昨日は95円手前まで上昇しました。これで「4時間足」の120日線を抜けたことに注目しています。これは9月19日以来、約40日振りということになります。これまではドル円で円安が進むと、豪ドルが米ドル対して円以上に売られる展開が続き、結局豪ドル円の下落につながってきました。昨日は中国のPMIが市場予想を上回ったこともあり、さらに石油などの資源価格が反発したことなどで米ドルに対しても堅調な動きを見せたものと思われます。「日足」ではまだまだ上値が遠く見えますが、「MACD」では2ヵ月ぶりにゴールデンクロスを見せそうな勢いで、しかも「プラス圏」で推移していることに、やや期待も膨らみます。94円台が値固めできるかどうかが問われます。
順調に戻してきたドル円ですが、ここからは昨日の様なペースでの上昇とはいかないと思います。110円からの下落過程では上値でしこった玉も多いと思われ、さらに輸出の実需も出やすい水準かと思われます。どこまで上値が試されるかという展開で、東京時間では108円60銭前後がそのメドになろうかと予想しますが、どうでしょう。レンジは107円60銭~108円60銭程度を予想していますが、昨日の様に大きく外れることもありますので、あくまでも参考値としてご理解していただければと思います。
一雨ごとに秋が深まっていきます。今日からは全国的に好天に恵まれそうです。間もなく「秋の行楽シーズン」の最盛期を迎えます。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は目先のレジスタンスを上抜けしたことや、欧州の経済指標が予想を上回ったことを好感し続伸。NYでは株価と長期金利の上昇を手がかりに108円台に乗せ、108円36銭の高値を記録。ユーロドルはドル高が進んだ割には底堅い動き。ドイツのPMIが事前予想を上回ったことで買われる場面もあったが、1.26台半ばを中心に方向感のない展開だった。
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2014-10-24 09:30