中国の鉄鋼メーカーが在庫を輸出　「世界の鉄鋼市場を混乱させる」と英紙＝中国メディア

　中国メディアの参考消息は２５日、英紙フィナンシャル・タイムズの報道を引用し、中国の９月における鉄鋼輸出量が前年同月比７３％増の８５２万トンに達したことを伝え、中国の鉄鋼メーカーが国内需要の低迷でだぶついた鉄鋼製品を輸出に回しており、世界の鉄鋼価格が下落する可能性があると報じたことを伝えた。 　記事は、フィナンシャル・タイムズの報道として、「中国の鉄鋼メーカーは直面している苦境を脱するため、輸出に活路を見出している」と伝える一方、米国は韓国などの鉄鋼製品に対して反ダンピング税を適用していることから、中国の鉄鋼製品に対しても同じような措置が取られる可能性があると紹介した。 　また、中国では鉄鋼業界の過剰な生産能力が「鉄鋼製品の価格低迷を招いている」と指摘、中国の鉄鋼製品の輸出先はアジアが中心であるものの、中国が安い単価で鉄鋼を輸出することで世界の鉄鋼貿易に悪影響を及ぼしていると論じた。 　続けて記事は、米国鉄鋼協会の関係者の話として、米国でも中国からの鉄鋼輸入が増えているとし、「中国経済の成長鈍化に伴い、中国は国内で売れ残った鋼材を輸出に回しているが、中国のやり方は世界の鉄鋼市場を混乱させる」と伝えた。 　また、スイスの金融機関クレディ・スイスのアナリストの発言を引用し、「中国の鉄鋼輸出は記録的な水準に達したが、世界の鉄鋼需要と中国の鉄鋼輸出は均衡状態にない」と指摘、中国の鉄鋼メーカーがだぶついた鉄鋼製品を輸出に回すことで、世界の鉄鋼価格が下落する可能性を示唆した。（編集担当：村山健二）（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）