中国の鉄道車両メーカー 「悪性の競争」で合弁の報道も=中国メディア

中国メディアの一財網は28日、中国にとって「鉄道」は国内経済における役目よりも、国際戦略において重要な役割を担う存在だとし、中国の鉄道車両製造大手2社が合併するのではないかとの噂(うわさ)が注目を集めつつあると報じた。なお、一財網は両社の合併を「噂」と表現したが、実際には合併がほぼ決まったとの報道もある。
記事は、信頼できる筋からの情報として、中国国務院(中国中央政府)が鉄道車両製造の大手である中国北車と中国南車の合併を要求していると伝え、「高速鉄道は指導層が重視している案件だけに、速やかに事が運ぶ可能性もある」と論じた。
さらに、中国北車はこれまでフランスやブラジル、アルゼンチン、タイ、米国など90カ国で車両や設備の受注実績があるほか、中国南車はオーストラリア、シンガポール、インド、南アフリカなど84カ国での受注実績を持つことを紹介したうえで、中国鉄路総公司の関係者の話を引用し、「中国北車と中国南車は中国市場を寡占しているうえ、海外市場では両社が激しく受注競争を繰り広げている」と指摘。
続けて、ともに中国の国営企業である中国北車と中国南車の競争は「互いに疲弊し、浪費につながる“悪性の競争”」との見方を示し、中国北車と中国南車の合併話が浮上した背景に「中国指導層は、両社が合併することは一流の中国鉄道ブランドを構築するうえで必要不可欠なことと考えている」ことがあると伝えた。
また記事は、膨大な知的財産権を持つ中国北車と中国南車が合併する意義は極めて大きいと考えられているとし、「類似の技術を研究するというムダも減らすことができる」と論じた。
さらに、2013年に中国政府・鉄道部が解体され、鉄道建設や運営を担当する部門が中国鉄路総公司として国営企業になったことを指摘し、同公司関係者の話として「鉄道事業における改革の速度が上がっている現時点で中国北車と中国南車が合併できないのであれば、今後合併を進めようとしても困難だろう」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの一財網は28日、中国にとって「鉄道」は国内経済における役目よりも、国際戦略において重要な役割を担う存在だとし、中国の大手鉄道車両メーカーが合併するのではないかとの噂(うわさ)が注目を集めつつあると報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-10-28 10:45