食品関連業者の倒産動向調査=帝国データバンク

 原価高騰・低価格化の流れで、3年連続の増加  ~輸入コスト増による収益圧迫が懸念~  はじめに  景気回復の兆しから百貨店などでは高額商品を中心に販売実績が上向き始めた。しかし、生活必需品として底固い需要がある食品業界では、長らく続いたデフレ経済のあおりを受けて競争激化による低価格化の流れに巻き込まれ、採算の悪化が続いていた経緯がある。アベノミクスによる日銀の金融緩和策によって、為替相場は僅か1年足らずで70円台から100円台にシフトし、多くを輸入に頼る原材料の価格高騰が食品関連業者の採算悪化を招いている。  帝国データバンクでは、2009年から2013年までに発生した食品関係に従事していたメーカー、卸売、小売の倒産(負債1000万円以上、法的整理)を件数・負債総額推移、製品別に集計・分析した。  調査結果  1.2013年の倒産件数は881件と、前年(843件)を4.5%上回った。負債総額は、前年を3.3%上回る約1926億500万円となった。2012年にはリーマン・ショック時の水準を越え、翌2013年も引き続き高水準で推移している。  2.業態別で最も倒産件数が多かったのが小売業で358件。増加率トップは卸売業(前年比+5.6%)となるなど全業態で前年を上回った。  3.製品別では、魚価上昇により「水産」(167件)が最も多かった。「パン、菓子」が116件と2番目に多く、前年比23.4%増で増加率トップとなった。輸入依存度が高い「食肉」(47件)は、円安による価格上昇分を転嫁できず、同20.5%増と、増加率では2番目を記録。(情報提供:帝国データバンク)
景気回復の兆しから百貨店などでは高額商品を中心に販売実績が上向き始めた。しかし、生活必需品として底固い需要がある食品業界では、長らく続いたデフレ経済のあおりを受けて競争激化による低価格化の流れに巻き込まれ、採算の悪化が続いていた経緯がある。アベノミクスによる日銀の金融緩和策によって、為替相場は僅か1年足らずで70円台から100円台にシフトし、多くを輸入に頼る原材料の価格高騰が食品関連業者の採算悪化を招いている。
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2014-01-14 16:00