【為替本日の注目点】円弱含み108円を挟み、文言据え置きで上値を試すか
NY市場
ドル円は108円台を回復。朝方の耐久財受注では前月比マイナスだったことからドル売りが加速し、107円70銭近辺まで下落。しかしその後に発表された消費者信頼感指数が予想を大きく上振れしたことでドル買いが強まり、108円19銭まで上昇しほぼ高値圏で引ける。ユーロドルではユーロの買い戻しが優勢となり、1週間振りに1.27台半ばを超える水準までユーロ高が進む。FOMC前にポジションを調整する動きが取引の中心と見られる。
株式市場は主要3指数ともに揃って大幅上昇。企業決算が好調なことに加え、欧州株も上昇していたこと。さらにFOMCでは現状の文言の変更はないとの見方がコンセンサスになりつつあることで、ダウは3週間振りに1万7000ドルの大台を回復。債券相場は反落。消費者信頼感指数が予想外に良好な数字を示したことで売りものが優勢の展開に。長期金利は2.3%あたりまで上昇。金は前日とほぼ変わらず。原油は小幅に反発。
9月耐久財受注 → -1.3%
8月ケースシラー住宅価格指数 → +5.57%
10月消費者信頼感指数 → 94.5
10月リッチモンド連銀製造業指数 → 20
ドル/円 107.69~ 108.19
ユーロ/ドル 1.2699 ~ 1.2765
ユーロ/円 137.23 ~ 137.78
NYダウ +187.81 → 17,005.75ドル
GOLD +0.10 → 1,229.40ドル
WTI +0.42 → 81.42ドル
米10年国債 +0.041 → 2.299%
本日の注目イベント
日 9月鉱工業生産
米 FOMC政策発表
ドル円は米経済指標の発表に振らされる展開となり、107円69銭まで下落した後、108円台を回復しています。ユーロドルはFOMC発表前に、投機筋を中心にショートポジションの買い戻しが活発となり、こちらはドル安の展開でした。また、豪ドルは対米ドルで上昇。スウェーデンが政策金利を実質ゼロ金利にしたことで、相対的に金利の高い豪ドルやNZドルに見直し的な買いが入ったようです。
それにしても米経済指標は強弱まちまちで、振れが大きいので注意が必要です。耐久財受注は、プラス予想に対してマイナス「1.3%」と大きく下振れしました。一方、消費者信頼感指数は予想を大きく上回る「94.5」と発表され、これが長期金利の低下につながり、株価を押し上げ、ドル買いを促す結果になっています。このところの原油価格の下落が個人の家計にプラスに働き、さらに労働市場の改善が消費者心理を好転させていると見られます。10月の消費者信頼感指数は実に7年振りの高水準でした。
昨日はドルの上値が重い展開を予想しました。東京時間では日経平均株価が終始マイナスで推移し、確かに上値が重い動きでしたが、それでも107円70銭辺りを下回らなかったことが、108円台の回復につながった面もあります。明日の朝3時にはFOMCの声明文が発表されるため、その時間までの値動きも108円を挟む展開が予想されます。やや上値を試す可能性が高いようにも思えますが、108円台半ばを大きく超えるには、FOMC声明文に頼らなければならないと思います。
FOMCでは何といっても声明文の文言に注目が集まっています。「相当な期間」という文言が削除されるかどうかということですが、昨日のNYの各金融市場の動きを見ると、「据え置かれる」と予想するのが順当かと思います。ドル円は約1週間前に「1時間足」の雲を上抜けし、それ以来昨日の下落でも雲の下を抜け切っていません。従って短期的にはまだ上昇トレンドを維持していると考えられます。ただもう少し長い目で見た場合、明確な上昇とも言えません。あえて楽観的に見れば、先日指摘したように「MACD」は既にゴールデンクロスを示現しており、さらに「プラス圏」へと移行しています。
本日のレンジは107円70銭~108円60銭程度と予想します。上述のように、FOMCで変更がなく、NY株式市場がさら続伸するようだと上値を試す可能性の方が高いのではないかと思われます。また円は対ドルだけではなく、その他主要通貨に対しても弱含んでいるため、クロス円の動きにも目配りが必要です。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は108円台を回復。朝方の耐久財受注では前月比マイナスだったことからドル売りが加速し、107円70銭近辺まで下落。しかしその後に発表された消費者信頼感指数が予想を大きく上振れしたことでドル買いが強まり、108円19銭まで上昇しほぼ高値圏で引ける。ユーロドルではユーロの買い戻しが優勢となり、1週間振りに1.27台半ばを超える水準までユーロ高が進む。FOMC前にポジションを調整する動きが取引の中心と見られる。
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2014-10-29 09:30