リクルートHDは新規ファンド設立で成長戦略の加速を期待し反発

  リクルートホールディングス <6098> は、30円高の3670円と3日ぶりに反発して始まり、今年10月20日につけた上場来高値3835円を意識する動きを強めている。前日29日大引け後に新規ファンドの設立を発表、M&Aを核に推進する同社の成長戦略が加速すると期待して直近IPO(新規株式公開)株人気を再燃させ買い物が先行している。同社株は、今年10月16日に東証第1部にIPOされたが、このIPO後の10月27日にもドイツの飲食店予約サイト運営会社への出資を発表しており、矢継ぎ早の成長戦略発動と評価されている。 ■ドイツの飲食店予約サイト運営会社への出資に次ぐ積極的な資本政策   新規ファンドは、今年4月に発足させた研究開発投資を目的にした組織「RIT」が、運営・管理する組織「RSP」が運用する合同会社RSPファンド5号が、投資予算50億円の投資実行を完了したことから、「合同会社RSPファンド6号」として11月中旬に設立、出資総額は50億円を予定している。同ファンドは、同社グループの既存領域外の新事業領域の創出、最先端のテクノロジーの獲得を目的に、全世界を対象に資金調達を行うスタートアップ企業への投資活動を実施する。同社は、今回のIPOによる調達資金を海外のM&Aなどに振り向け、グローバル展開による成長戦略を加速させる計画で、10月27日には欧州9カ国で3600店舗以上の飲食店に導入されている予約サイトを運営するドイツのクアンドゥー社の出資を決定した。   同社は、就職情報誌からスタートし媒体を雑誌からインターネットに移行させ人材、住宅、結婚式場、飲食店などの幅広い分野でマッチングサービスを展開している。人材メディア事業の「リクナビ」のほか、販促メディア事業の不動産情報の「SUUMO」、旅行情報の「じゃらん」、結婚情報の「ゼクシィ」、中古車情報の「カーセンサー」などのメディア事業は、情報サイトの代名詞となるほど圧倒的なブランド力と知名度、高実績を誇っている。またグループ従業員は、2万8000名超に達するが、この一人ひとりが創業以来のベンチャー精神に溢れ、これも同社の成長可能性の原動力となっている。   今3月期業績は、売り上げ1兆2900億円(前期比8.3%増)、経常利益1260億円(同3.2%増)、純利益660億円(同0.9%増)と予想、配当も、47円(前期実績26円)と増配を見込んでいる。 ■好需給思惑も背景にIPOの投資セオリー通りの「小さく産んで大きく育てる」展開へ   株価は、公開価格3100円でIPOされて3170円で初値をつけ、直後の上場来安値3150円から同高値3835円まで約700円高してこの3分の1押し水準でもみ合っている。時価総額は、IPOで東証第1部第43位(10月29日終値現在)に躍り出ており、東証株価指数(TOPIX)算入によるTOPIX連動型の海外ファンドなどの買い需要発生などの好需給思惑も支援し、IPO株の投資セオリー通りの「小さく産んで大きく育てる」展開が見込まれ、最高値奪回から一段の上値追いに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
リクルートホールディングス<6098>(東1)は、30円高の3670円と3日ぶりに反発して始まり、今年10月20日につけた上場来高値3835円を意識する動きを強めている。
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2014-10-30 11:30