原油価格の急落は、「新世界エネルギー構図」の序章か=中国メディア

 中国メディア・長江商報は10月30日、国際原油価格の急落が「新たな世界のエネルギー秩序」の開始を意味する可能性について論じた記事を掲載した。  記事はまず、最近の国際市場におけるリスクを聞かれれば、おそらくみんな「原油価格の暴落」を挙げるだろうとしたうえで、短期間における原油価格の暴落は世界のエネルギー構図が変化することを示すものなのか、あるいは米国が世界のエネルギー秩序を再構築することの表れなのかと問題提起した。  そして、現在の原油価格下落は石油産油国の生産拡大と世界的な経済成長鈍化による原油ニーズの減少が重なったものであるとの認識されていると紹介。また、米国では「エネルギー独立戦略」や「シェールガス革命」によって石油ニーズが低下し、エネルギー自給率の減少に歯止めをかけ、回復させることに成功したとし、石油以外のエネルギーへのシフトも進んでいることを伝えた。  現在、米国を代表する北米地域が世界のエネルギー構図において隆起しており、中東地域の戦略的地域が著しく削がれているとするとともに、地政学的や世界の経済局面にも大きな影響を与えていると解説した。  そのなかで、ロシアが、米国にとってエネルギー競争における最大のライバルであると紹介。ロシアでは、エネルギー輸出が連邦予算収入の50%を占めるなど重要な経済支柱となっており、今回の石油価格下落に加え、ロシア通貨(ルーブル)の下落で大量の資本が国外に流出、大きな打撃を受けているとし、「石油価格暴落が一種の金融制裁になっている」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)  さらに、近ごろ国際世論ではロシアの債務危機に対する懸念が高まっており、1998年の貨幣価値下落と債務違約の再現は免れないする見方もあるとした。  記事は最後に、今後数年で世界のエネルギー構図の再構築が進むなかで新たな主導権を握る米国が、ロシアやOPECなどの石油資源生産国に加え、消費国の石油供給や安全問題にまで影響を及ぼすようになるだろうと締めくくった。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・長江商報は10月30日、国際原油価格の急落が新たな世界のエネルギー秩序の開始を意味する可能性について論じた記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)(イメージ写真提供:123RF)
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2014-10-30 21:15