【為替本日の注目点】米GDP上振れドル続伸、日経上昇で109円半ば抜けるか
NY市場
東京時間に109円台を回復したドル円は、NY時間にはGDPが予想を上回る3.5%であったことや、GPIFが海外への投資を増やすとの思惑から109円47銭まで続伸。QE終了を裏付ける経済指標にリスクオンが進行。ユーロドルは前日の急落からさらに値を下げる場面もあったが、直近の底値である1.25が意識され、1.25台半ばまで下落した後、1.26台まで反発。
株式市場は大幅に反発。GDPの伸びを好感し、景気に対する楽観的な見方が広がりダウは221ドル上昇し、1万7100ドル台を回復。ビザやマスターカードなどが相場を押し上げる。債券相場は小幅に上昇。GDPが予想を上回ったものの、個人消費が予想を下回ったことで早期の利上げ観測がやや後退。長期金利は2.30%台と小幅に低下。ドル高に反応し金は大きく下落し、1200ドル台を割り込む。原油価格も反落し81ドル台に。
新規失業保険申請件数 → 28.7万件
7-9月期GDP(速報値) → 3.5%
ドル/円 108.78~ 109.47
ユーロ/ドル 1.2545 ~ 1.2632
ユーロ/円 137.02 ~ 138.05
NYダウ +221.11 → 17,195.42ドル
GOLD -26.30 → 1,198.60ドル
WTI -1.08 → 81.12ドル
米10年国債 -0.013 → 2.308%
本日の注目イベント
豪 豪第3四半期生産者物価指数
日 9月失業率
日 10月消費者物価指数
日 日銀金融政策決定会合
独 独9月小売売上高
欧 ユーロ圏9月失業率
欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
米 9月個人所得
米 9月個人支出
米 9月PCEコアデフレーター
米 10月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
米 10月シカゴ購買部協会景気指数
加 カナダ8月GDP
ドル円は昨日の東京時間に109円台に乗せ、その後の欧州市場では109円35銭近辺まで続伸する場面もありましたが、一旦は利益確定のドル売りに押され108円台後半まで下落。しかしNYでは、良好なGDPを手がかりに109円47銭までドル高が進行しました。前日のFOMCではQEの終了が確認され、今後は利上げのタイミングを探る展開でしたが、GDPの上振れはFOMCの判断が正しかったことを裏付ける結果となり、米景気の着実な成長に対し楽観的な見方も広がりました。
米国の第3四半期GDP速報値は「3.5%」と、事前予想の「3.0%」を大きく上回りました。だた内訳では、経済全体の7割を占める個人消費は1.8%増に留まり、第2四半期の2.5%増から減速しています。一方で国防を中心とする政府の支出増や、貿易赤字の改善が寄与し、全体を押し上げた形になっています。「4.6%」であった第2四半期のGDPからは減速したものの、日米欧を比較した場合「米国の一人勝ち」の構図は変わっていません。従って、ドルが買われ円やユーロが売られる展開は自然な流れで、相場の上げ下げはあったとしても、この傾向は来年も維持される公算が高いと思われます。
ドル円は109円台半ばまでドル高が進み、今月1日に記録した110円09銭が徐々に視野に入ってきました。今回の動きは、今年1月に105円台までドル高が進み、その後100円台まで下落した後、約半年かけて元の水準を回復した展開に比べ「調整」も短期で済みそうな気配です。それは米景気回復の足取りがより鮮明になったことが背景かと思います。
2008年9月のリーマンショクから続いた量的緩和策に終止符が打たれ、いよいよ「平時の金融政策」へ移行するタイミングを探ることになります。現在2015年の中頃と見られている政策金利の引き上げが、今後さらに早まるのか、あるいは先送りになるのかを巡って相場が上下することはありますが、量的緩和策の真っ只中にいる日欧の状況を考えれば米利上げのタイミングが半年程度ずれようが、大勢に影響はないのかもしれません。
本日もドル円は上値を試す展開が予想されます。NY株式市場が大幅高で取引を終えたことから、日経平均株価も上昇が予想されます。109円半ばが抜けられるかどうかを見極めたいと思いますが、110円を覗くのは海外市場かと思います。FOMC、GDPと、ひとまず材料も出尽くしたことから来週の雇用統計まで小幅な調整もあるかもしれません。本日発表予定のGPIFの運用比率に関する報道と、黒田総裁の記者会見にも注意が必要です。予想レンジは108円80銭~109円80銭程度にしたいと思います。
新聞によると、相続争いが一般家庭で増えているそうです。「相続」を「争族」という字に変えて表現することは有名ですが、実際に相続人が遺産を巡って争うケースが急増しているそうです。特に遺産額が5000万以下では、ここ10年で5割増しとのことです。背景は、遺産額が少ない人ほど相続対策を行っていないことが原因のようです。来年1月からは相続税が引き上げられることから、課税対象者が大幅に増えると予想されています。「自分には関係ない」と思っていても、準備をしておくことにこしたことはありません。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
東京時間に109円台を回復したドル円は、NY時間にはGDPが予想を上回る3.5%であったことや、GPIFが海外への投資を増やすとの思惑から109円47銭まで続伸。QE終了を裏付ける経済指標にリスクオンが進行。ユーロドルは前日の急落からさらに値を下げる場面もあったが、直近の底値である1.25が意識され、1.25台半ばまで下落した後、1.26台まで反発。
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2014-10-31 09:30