Ｍ＆Ａキャピタルパートナーズ、１４年９月期は最高益更新、大型セミナーで成長戦略

　Ｍ＆Ａキャピタルパートナーズ <6080> の２０１４年９月期決算は、売上高１６億６７百万円（前期比４４．０％増）、経常利益８億８百万円（同３４．６％増）と大幅な増収増益になった。２０１３年１１月の株式上場時に掲げた「成約件数２０％増」をコンスタントに達成するという目標を着実に進捗させている。この１１月には恒例の「経営者のための事業承継・Ｍ＆Ａ活用フォーラム」を開催するが、今回初めて大阪にも会場を設けて東京会場と合わせて２会場で開催する。大規模セミナーの拡大は、新年度も成長路線を持続させる布石になる。 　Ｍ＆Ａキャピタルパートナーズ代表取締役社長の中村悟氏（写真）は、上場によって「信頼感が高まり、開催するセミナーへの来場者数、また、会場における相談件数なども格段に増えた」と語っている。２０１４年６月に開催した「経営者のための事業承継・Ｍ＆Ａ活用セミナー」（定員：５００名）は、事前申し込みが１５００件を超える盛況だった。セミナーをきっかけに、Ｍ＆Ａの検討を具体的に始める経営者も少なくなく、同社の事業拡大のきっかけになっている。 　また、Ｍ＆Ａの仲介を担当するコンサルタントの採用も積極的に実施。２０１４年３月末２２名（前年同月比６名増）だったが、９月末には２５名に増員。２０１４年９月期のＭ＆Ａ成約件数は３５件と、前期の２１件から大幅に増えた。同社取締役企画管理部長の佐々木輝氏は、「Ｍ＆Ａ成約実績は案件の規模のよって受け取る成功報酬の金額が異なるため、四半期ごとの収益に波があるものの、成約件数を安定的に積み上げることによって、収益の波を抑えて投資家の方々の期待にも応えていきたい」と語っている。 　コンサルタントの採用によって、担当する業種に広がりが出ているという。また、２０１４年９月に全国地方銀行協会主催の金融業務講座において代表の中村氏が講師を務めるなど、全国の地方銀行で事業継承やＭ＆Ａに関する研修などを受託する動きにつながっている。そして、証券会社や、全国の士業（会計事務所、税理士事務所、弁護士事務所等）との連携も進んでいる。同社取締役営業企画部長の十亀洋三氏は「今後は、地方銀行との連携などによって、各地域での認知度拡大など、地方都市部での実績が大切になってくる」と、広く全国に認知度を拡大することを展望している。 　２０１４年１１月に開催する大規模セミナー「経営者のための事業承継・Ｍ＆Ａ活用フォーラム」（東洋経済フォーラム２０１４）は、同社が協賛する大規模Ｍ＆Ａセミナーとしては初めて、開催会場を大阪に設けて、東京と含めて２会場で開催する。１１月１１日に大阪ビジネスパーク円形ホールで開催するセミナーには特別講演としてオムロンの取締役会長、立石文雄氏が登壇。立石電機製作所（現オムロン）を創業した立石一真氏の創業理念から、社名を「オムロン」に変更していったコーポレート・ガバナンスの進化について語る。また、２０１４年２月に東証１部上場企業に事業譲渡したクラカタ商事の名誉顧問の蔵方肇氏が事業譲渡決断の経緯について体験を発表する。 　また、１１月１８日に開催する東京会場（ベルサール半蔵門）では、北海道を中心にスーパーを展開するアークスの代表取締役社長、横山清氏が登壇し、年商１億円から５０００億円に成長した軌跡について語る。横山氏は、週刊東洋経済の「社長力ランキング」でソフトバンクの孫正義氏（１位）、日本電産の永守重信氏（３位）らという名だたる経営者の中で７位にランクインし、独自の経営戦略「八ケ岳連峰経営と百足（むかで）経営」などを展開。Ｍ＆Ａ戦略についても講演する。また、２０１４年３月に日本最大の調剤薬局グループに株式を譲渡してグループ入りしたリード薬局の執行役（前代表）の田代雅也氏が「中小薬局存亡の処方箋」と題して自らの体験である「譲渡」という選択について語る。 　１１月に開催するセミナーは、大阪会場（定員：２５０名）、東京会場（同：５００名）ともに参加費は無料。東洋経済オンラインのセミナー情報画面から事前登録の申し込みを受け付けている。 　Ｍ＆Ａキャピタルパートナーズの十亀氏は、「年３回開催している大規模セミナーについては、１１月開催のセミナーのように開催会場を複数にするなど、より広く多くの方々に会場に来ていただく工夫をする一方、業種別に行っている小型セミナーは業種の設定や開催時期などを柔軟に設定して、ニーズにきめ細かく対応して開催回数を増やしていきたい」と語っている。（編集担当：徳永浩）