【為替本日の注目点】ECB緩和圧力ユーロ買戻し、黒田総裁発言注目
NY市場
ドル円は113円台半ばを挟んで小動き。貿易収支が予想より拡大していたことでドル売りが膨らむ場面もあったが、113円23銭前後で下げ止まる。ユーロドルは反発。今週の理事会では緩和策が実施できないとの見方が拡大。ユーロドルは1.25前後から1.2578まで上昇。
株式市場は方向感も出ずまちまちの展開。原油価格の大幅下落からエネルギー株が売られる。ダウは17ドル上昇したものの、ナスダックは15ポイント下落。債券相場は小幅に反発。原油価格の下落はインフレの抑制になるとの見方から上昇。長期金利は2.33%台へ小幅に低下。金は5日続落で1167ドルに。原油は一時、75ドル台まで売られる場面も。引けは77ドル台と約3年ぶりの低水準。
9月貿易収支 → 430億ドルの赤字
ドル/円 113.23~ 113.73
ユーロ/ドル 1.2505 ~ 1.2578
ユーロ/円 141.83 ~ 142.61
NYダウ +17.60 → 17,383.84ドル
GOLD -2.10 → 1,167.70ドル
WTI -1.59 → 77.19ドル
米10年国債 -0.007 → 2.337%
本日の注目イベント
日 10月マネタリーベース
中 中国 10月サービス製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏9月小売売上高
英 英10月サービス業PMI
米 10月ADP雇用者数
米 10月ISM非製造業景況指数
米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
米 グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
米 バーナンキ・前FRB議長講演
ドル円は昨日の早朝に114円台乗せが見られたものの、その後は終日軟調な展開でした。日経平均株価が思ったほど伸びず、シカゴ先物市場の引け値から900円程度の上昇が見込めたものの、空振りに終わったことがドル円の上値を抑えた格好でした。NY市場でも同じような展開が続き、急激にドル高が進んだこともあり、ひとまず114円台は「ドルの売り場」といった見方も広がってきたようです。
もっとも今のところは下値も限定的で、NY市場では113円23銭辺りまでドルが売られる場面もあり、欧州市場でも113円15銭近辺まで下落しましたが、いずれも113円台半ばまで押し戻される展開でした。予想外の追加緩和の実施が市場に衝撃を与え、ドル高と株高が急速に進行し、ドル円は114円20銭近辺まで買われ、日経平均先物は17400円台まで伸びたものの、週明けの月曜日が休日だったことがその後の展開に影響したと考えられます。
ドル円は先週末の「黒田ショック」の影響を継続し、112円から113円へと素直にトレンドを継続させ、NYでは114円まで上昇しましたが、日本の株式市場は月曜日が休場だったことで、やや興奮も冷めた格好になり、冷静さを取り戻す時間を与えてくれたようです。そのため昨日株価は上昇はしたものの、「絶好の利益確定の場」にもなったと見え、上げ幅を大幅に縮小したと見られます。
ドル円はようやく間隙をぬった追加緩和策実施を消化しつつあります。113-114円台が想定レンジですが、今週はこのまま終わるとも思えません。今夜からはADP雇用者数の発表があり、週末には雇用統計が控えています。米国の雇用の拡大は安定期に入ったのか、あるいはまだまだら模様なのかを判断する材料を与えてくれます。雇用者数が20万人を大きく超えているようだと、再び114円を試す展開が予想されますが、一方で下振れしているようだと、利益確定のドル売りをあぶり出すことになり、ドルの下値を探る展開になりそうです。
また明日はECB理事会も開催され、ドラギ総裁の記者会見も予定されています。日銀が追加緩和に踏み切ったことで、ECBへの緩和圧力が増し、ユーロドルは一時1.24台半ばまで売られた後、ジリジリと値を戻しています。量的緩和を含む緩和策を講じる可能性は非常に高いと思いますが、市場では今回の理事会では緩和策に反対するメンバーもおり、実施には踏み切れないとの見方が強まりユーロドルは昨日、1.25台後半まで買い戻される場面もありました。昨日の経済紙でのインタビューでは、ECB理事のノボトニー・オーストリア中銀総裁などが、その中の一人と見られます。またドイツ連銀総裁なども財政出動に断固として反対していることから、量的緩和には否定的だと見られます。ただ足元の景気を考えると、ECBは行動を起こさないわけには行かないと思います。
今日の東京時間は比較的小動きな展開を予想します。11時半に黒田日銀総裁の講演がホテルオークラで行われるようです。追加緩和を実施した後だけに、発言内容次第では相場を動かすことも考えられます。予想レンジは113円~114円程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は113円台半ばを挟んで小動き。貿易収支が予想より拡大していたことでドル売りが膨らむ場面もあったが、113円23銭前後で下げ止まる。ユーロドルは反発。今週の理事会では緩和策が実施できないとの見方が拡大。ユーロドルは1.25前後から1.2578まで上昇。
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2014-11-05 09:45