【為替本日の注目点】市場はドルに対する強気一色、一部利益確定を

 NY市場  ドル円は、黒田総裁の講演をきっかけに再び円売りが強まり114円台に。さらに米中間選挙の結果や、ADP雇用者数が予想を上回ったことなどで114円85銭までドル高が進む。ECB理事会では緩和策を巡る議論が紛糾するとの見方から、前日はユーロ買戻しが進んだものの、この日はドル高の流れが優勢となる。ユーロドルは再び1.25台を割り込み、1.2458まで売られる。   共和党の勝利を受けて株式市場は概ね続伸。ダウは100ドル上昇し、S&P500指数とともに最高値を更新。一方ナスダックは2ポイント下げる。債券相場は前日とほぼ変わらず長期金利も横ばい。株高からやや売りものが優勢となる。金は6日続落し、約4年7ヶ月振りとなる1145ドルで引ける。原油は5日振りに反発。   10月ADP雇用者数     → +23万人   10月ISM非製造業景況指数 → 57.1    ドル/円 114.38~ 114.85  ユーロ/ドル 1.2458 ~ 1.2507  ユーロ/円 142.90 ~ 143.37  NYダウ +100.69 → 17,484.53ドル  GOLD -22.00   → 1,145.70ドル  WTI +1.49     → 78.68ドル  米10年国債 +0.003   → 2.340%  本日の注目イベント  豪   豪10月雇用統計   日   日銀金融政策決定会合議事要旨(10月6、7日分)   日   9月景気動向指数   欧   ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)   欧   ECB金融政策発表   欧   ドラギ・ECB総裁記者会見   英   BOE金融政策発表   米   新規失業保険申請件数   米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演   米   ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演   ドル円は一段と円安が進み、NY市場では一時114円85銭までドルが買われました。昨日の東京市場では113円台半ばで取引きが開始され、小動きの展開を予想しましたが、昼ごろに黒田総裁の講演内容が伝えられると、円売りが強まり、午後には直近高値であった114円20銭をあっさり抜け、その後はほとんど調整もないまま114円台半ばまでドル高が進行しました。ただ、その後のNY市場では中間選挙で共和党が勝利し、NYダウがこれを好感し上昇した割には上値は抑えられた印象です。  114円85銭まで買われたドル円ですが、いよいよ115円台が見えてきました。10月1日に待望の110円台を記録してから、「わずか1ヶ月程度」で5円近くの円安です。もっと厳密に言えば、先週金曜日の昼はまだ109円台前半だったわけで、そこから3営業日目で5円の円安です。さすがに円安のスピードは速すぎ、「スピード違反」の感は否めません。しかしそれでもドル買いが優勢になるのが今の相場です。間断なくドル買いが湧き出る状況です。非常に強いドル上昇トレンドが起きていると考えられます。  今後もドル上昇トレンドは継続されるとは思いますが、個人的にはそろそろ一旦はポジションの一部を手仕舞うタイミングが近づいているように思います。上述のように、ドルの上昇ピッチが早すぎることと、今朝の専門家のコメントには「年末には120円まで円安が進む」と言った声も聞かれます。また市場参加者も概ね「ドルブル」です。大げさに言えば「市場はドルに対する強気一色」といった状況です。しかし相場の過熱感を表すストキャスは日足で「95」あたりまで上昇しています。  今年の相場展開を振り返って見ると、年初に105円45銭を記録した時の雰囲気と、10月に110円09銭を記録した際の雰囲気も今と同じものでした。その後の動きはご承知の通りです。いずれも5円程度の「調整」が見られています。105円、110円、そして今度は115円という節目では「達成感が出る」、といった連想が働くのは自然のことでしょう。  もちろん今回の急激な円安は前の2回と異なるのは事実です。日米の金融政策の方向性が端的に示された結果ですから、まだまだ今のセンチメントは続くと考えることも自然です。ただそれでも水準とスピードを考えると、「円安批判」がいつ出てもおかしくはありません。今日から明日の雇用統計までは相場を動かす材料に事欠きません。ドルがもう一段跳ねたところでは、一部利益の確定を試みてもいいのではないでしょうか。本日のレンジは114円30銭~115円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は、黒田総裁の講演をきっかけに再び円売りが強まり114円台に。さらに米中間選挙の結果や、ADP雇用者数が予想を上回ったことなどで114円85銭までドル高が進む。ECB理事会では緩和策を巡る議論が紛糾するとの見方から、前日はユーロ買戻しが進んだものの、この日はドル高の流れが優勢となる。ユーロドルは再び1.25台を割り込み、1.2458まで売られる。 
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2014-11-06 09:30