【為替本日の注目点】米雇用控え115円台で越週なるか、ユーロ急落

 NY市場  東京時間で115円台に乗せ、その後114円近辺まで下落したドル円はECB理事会の決定を受け、ドル高が進行したことで再び115円台を回復。ユーロドルは1.25台前半から急落。ECBが追加緩和の準備を行っているとのコメントにユーロ売りが加速し、1.2364までユーロ安ドル高が進む。    株式市場は続伸。失業保険申請件数が改善していたことや、ECBが追加緩和に踏み切る可能性が高まったことが買い材料だった。ダウは69ドル上昇し、最高値を更新。債券相場は続落。失業保険申請件数が予想以上の減少を示したことが背景。長期金利は2.38%台まで上昇。金はドル高が続いていることで7日続落。原油もOPECが需要予想を下方修正したことで反落。   新規失業保険申請件数     → 27.8万件     ドル/円 114.41~ 115.22  ユーロ/ドル 1.2364 ~ 1.2526  ユーロ/円 142.18 ~ 143.56  NYダウ +69.94 → 17,554.47ドル  GOLD -3.10   → 1,142.60ドル  WTI -0.77     → 77.91ドル  米10年国債 +0.040   → 2.380%  本日の注目イベント  独   独9月貿易収支   独   独月経常収支   米   10月雇用統計   米   9月消費者信用残高   米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演   加   カナダ10月失業率   ついに115円台に乗せたドル円はその後乱高下し、115円台半ばから114円07銭あたりまで下落する場面もあり、水準が水準だけに、達成感からの利益確定のドル売りや、さらにドルのもう一段の上昇を狙ったドル買いなど、「思惑」がぶつかり合う展開になっています。そのためボラティリティーも上昇しており、値幅が飛びやすい状況になっています。ここは慎重さが求められます。  ドル円は昨日の昼ごろ115円の大台に乗せ、その後も断続的なドル買いに115円53銭近辺までドル高が進行しました。しかしその直後には大量のドル売りが入り、115円を割り込み、さらに上値が重くなってきたことで実需のドル売りなども誘発し、114円07銭あたりまで下落しました。高値から1円50銭ほどの急落でした。ただ、海外市場ではドルが再び買い戻され、NY時間ではECBの理事会の決定を受け、今度はユーロドルが急落したことがドル円にも波及し、再び115円台に乗せて帰ってきました。  ECB理事会内での不協和音が伝えらたことで、ユーロドルは1.25台前半で推移していましたが、ドラギ総裁は記者会見で、追加の緩和策を講じる用意があることを示唆し、景気刺激への強い意欲を示したことでユーロ売りが加速。ユーロドルは1.2364まで下落し、約2年ぶりの安値を記録しました。  ECB理事会内ではドラギ総裁のリーダーシップに批判的な見方が増えてきたと伝えられており、ドラギ氏の秘密主義や政策に一貫性がないといった意見があったようです。ただ、それでもユーロ圏が現在置かれている状況を考えれば、行動を起こさない選択肢はなく、ユーロの反発は限定的だと、これまでにも述べてきました。今回ドラギ総裁は会見で、そのような反対グループがあるのかどうかの質問に対して「政策当局者は全員、追加策を講じることに原則的に賛成している」と強調し、「物事についても異なる意見があるのは極めて正常なことだ」と述べています。(ブルームバーグ)  ECBはこれまでにも、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)や、カバードボンドなどの購入を実施してきましたが、期待した効果はあがっていません。やはり先週末日銀が決定したような国債購入を含む「量的緩和」に踏み込むべきだとの意見が強く、ECBも早ければ年内にも実施する可能性が高まってきました。しかし「ユーロ国債」が存在しない以上、どこの国の国債を購入するのかが問題でした。現実的には、ECBへの出資比率に応じて購入するという案が有力です。そうなると、ドイツ国債が最も多く買われ、次いでフランス、イタリアということになりそうです。その結果、ドイツの長期金利はさらに低下することになり、南欧諸国との金利差が拡大することになります。景気低迷に苦しんでいるギリシャやスペインなどの国に与える影響は限定されそうです。  再び115円台を回復したドル円ですが、今日は115円台が維持できるかが注目されます。東京市場では昨日の苦い経験もあり、115円台半ばではドル売り意欲も強いように思えます。今夜のNYでも115円台が維持でき、115円台で越週できるようなら、113-118円の新しいレンジを形成できる可能性が高まります。一方115円台定着に失敗すると、「115円台がダブルトップ」となり、重いというイメージが形成されそうです。株価の動きと共に注目したいと思います。予想レンジは114円50銭~115円70銭程度にしたいと思います。  米中間選挙ではオバマ民主党が大敗し、共和党が勝利しました。現職大統領が不利なのはこれまでも言われたきましたが、オバマ不人気が党の議席を失ったことは間違いありません。6年前、「Yes We can!」と圧倒的な支持を集め、「黒人初の大統領」が誕生しました。このところのオバマ大統領の姿を映像で見ると、明らかに頭髪の色が違ってきました。アメリカ大統領が「世界の警察官」であることを端的に物語っており、大変な職位だということです。残り2年を頑張ってもらい、「最後の黒人大統領」にならないことを願っています。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
東京時間で115円台に乗せ、その後114円近辺まで下落したドル円はECB理事会の決定を受け、ドル高が進行したことで再び115円台を回復。ユーロドルは1.25台前半から急落。ECBが追加緩和の準備を行っているとのコメントにユーロ売りが加速し、1.2364までユーロ安ドル高が進む。
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2014-11-07 09:30