【どう見る日経平均】12年暮れから安定していた「政局」が不安定に変わり上値を押える展開
<Q>10日(月9の日経平均は上げ一服だが、調整となるのか、あるいは再上昇に向かうのか。
<A>去る10月17日の1万4529円(場中値)から11月4日の1万7127円まで1カ月弱で約2600円、率で約17%上昇した。過去の推移で見ても上昇ピッチはそうとう速かった。何がなくても、ここでの調整はあっておかしくない。
<Q>ここまで上げて来た背景という観点では、これからの見通しはどうか。
<A>言うまでもなく、追加金融緩和と急激な円安が日経平均上昇の背景だった。これに、2015年3月期・第2四半期の決算発表という材料が加わっている。今後については、(1)円安がさらに続くか、(2)追加金融緩和の第3弾が見込めるか、(3)第2四半期決算の終了で決算に対する総括~ということが注目される。
<Q>とくに、企業々績に寄与の大きい円安は続くか。
<A>円安については、2つの視点があると思われる。一つは、アメリカの金利はいずれ上がり、一方の日本は低金利状態が続くということからのドル高、円安が予想される。もうひとつは、13年春の金融緩和第1弾、今年10月末の緩和第2弾につづいて、さらに第3弾があるだろうか、ということだ。アメリカのQE1~QE3のような緩和政策を日本でも求める見方はあるが、仮にあるとしても直ちにということにはならない。足元では10月末の追加緩和2弾によって115円までの円安に評価したわけだからこの分の効果は薄れることになる。結局、当面の為替はアメリカの金利引上げ時期を見守りながらの展開が予想され、これまでのような急激な円安にはならないだろう。
<Q>日本の金融緩和第1弾と第2弾の大きい違いは、政局ではないかと思う。ここに来て政局が不安定となっている。この点は相場にどう影響するか。
<A>日中関係の修復など外交面では国民の評価は得られていると思われるが、アベノミクスを大々的に打ち上げたものの庶民、地方まで恩恵が及んでいない。むしろ、円安の悪影響で生活実感としては悪くなっている。これに、女性閣僚のお粗末辞任が重なって内閣支持率が50%前後まで低下し政局を不安定とさせている。今年7~9月のGDPが2ケタダウンとなったことに照らし合わせると追加金融緩和はもっと早い時期に実施されてよかったのではないかとの指摘もある。
<Q>消費税10%問題が年内最大の注目材料か。
<A>そうなるだろう。量的緩和第1弾に比べると今回の追加緩和第2弾は株高への効果は小さいのではないかと思われる。第1弾のときに飛びつき買いで長い間、高値掴みとなった学習効果もあるからだ。消費税10%は、進むも地獄、止めるも地獄といった雰囲気となっている。結局、噂が高まっている「解散」が現実味を帯びてくる可能性がある。2012年の暮れ以降の上げ相場では政局面の心配はなかったが、ここに来て政局が相場の重しになってきたといえる。この問題がある以上、年末相場では日経平均の上値を押えることとなりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
<Q>10日(月9の日経平均は上げ一服だが、調整となるのか、あるいは再上昇に向かうのか。
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2014-11-10 13:30