【為替本日の注目点】株高でドル買い基調、日経上昇で115円回復か
NY市場
昨日の海外市場で113円85銭近辺まで下落したドル円は、FRBが発表したLMCIが改善していたことを好感し反発。米長期金利が反発したこともあり、114円91銭近辺までドル高が進み、この日の高値圏で引ける。ユーロドルは欧州市場で1.25台に乗せた後、ドル円と同じ歩調となり、徐々にドル高ユーロ安に。再び1.24台前半までユーロ安が進む。
ダウは5日続伸し、最高値を更新。原油安や消費者信頼感が相場の支えとなり、他の主要株価指数も揃って上昇。債券相場は反落。3年債入札が不振だったことから売り物が優勢の展開となり、長期金利も2.35%台まで上昇。金と原油は共に反落。
米 10月労働市場情勢指数(LMCI)→ 4.0
ドル/円 114.16~ 114.91
ユーロ/ドル 1.2419 ~ 1.2489
ユーロ/円 142.55 ~ 142.75
NYダウ +38.81 → 17,613.74ドル
GOLD -10.00 → 1,159.80ドル
WTI -1.25 → 77.40ドル
米10年国債 +0.068 → 2.358%
本日の注目イベント
日 9月国際収支
日 10月景気ウォッチャー調査
米 NY債券市場休場(退役軍人の日)
昨日のこの欄でも記述したように、ドル円は「1時間足の雲」を下抜けしたらズルズルと下げ基調に入り、欧州市場では114円台を割り込み、一時113円85銭あたりまでドル安が進みました。先週末の雇用統計直前に記録した115円60銭からは、約1円80銭程の下げです。その後、FRBが発表したLMCI(労働市場情勢指数)が「4.0」と前月よりも改善していたことでドル円も反発し114円91銭近辺まで押し戻されています。
「LMCI」は労働市場の全般的な状況を示す指標として徐々に注目されつつありますが、これはFRBが独自に労働市場関連の19項目を指数化して発表するものです。指数そのものは発表されませんが、毎月の変化率を発表します。今回は前月分も「2.5」から「4.0」と1.5ポイント上方修正されています。先週の雇用統計でも明らかになったように、失業率は5.8%とリーマンショック前の水準まで回復しており、雇用者数の伸びも、メドとする「20万人」をゆうに超えています。
そのため、イエレン議長が繰り返して述べていたように、FRBは「労働の質」に視点を移しています。「LMCI」は失業率や雇用者数だけではなく、労働参加率、雇用・解雇、あるいは民間の求人広告の件数など、幅広い項目を網羅しています。今後はさらにこの指標が注目を集めることになると予想しています。
さてドル円は直近高値から1円80銭ほど下落した後上昇に転じてきました。これで小さな調整を終えたのかどうかは現段階では解りません。それは、これまでも105円、110円の節目では一旦下落した後反発し、「ドルは底堅い」といった雰囲気を残した後急落しているからです。再び115円台に乗せて、その後の動きに注意したいと思います。基本的な上昇トレンドが維持されている以上、調整がどの程度続き、どのタイミングで終わるのかが焦点になるだけです。
NY株式市場が堅調に推移しているため、本日の日本株も上昇しそうです。前日比150円程度の上昇を見せそうですが、日経平均が1万7000円台を回復するようだと、ドル円も115円台にしっかり乗せて来ることも想定されます。上述のように、問題はそこからさらに上値を試すのか、あるいはドル売りに押されて115円台を維持できないのかを見極める必要があります。株価の動きにもよりますが、レンジは114円40銭~115円30銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
昨日の海外市場で113円85銭近辺まで下落したドル円は、FRBが発表したLMCIが改善していたことを好感し反発。米長期金利が反発したこともあり、114円91銭近辺までドル高が進み、この日の高値圏で引ける。ユーロドルは欧州市場で1.25台に乗せた後、ドル円と同じ歩調となり、徐々にドル高ユーロ安に。再び1.24台前半までユーロ安が進む。
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2014-11-11 09:30