レアアースをめぐる西側諸国と中国の争いは続く=中国メディア

中国メディアの強国網はこのほど、レアアース(希土類)生産における中国の独占的地位をめぐって西側諸国が牽制を行っていると主張する記事を掲載し、レアアースをめぐる中国と西側諸国の争いは今後も続くと論じた。
記事は、世界貿易機関(WTO)が2014年4月に中国のレアアース輸出規制はWTO協定に違反すると決定を下し、中国はその翌月にレアアースに対する資源税を大幅に引き上げたことを紹介、「中国は資源税を引き上げることで間接的に輸出規制を実施した」と主張した。
さらに、中国のレアアース生産における独占的地位をめぐって「第1次戦争」がぼっ発したのは09年から10年にかけてだったと主張し、尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題をめぐって関係が悪化した日本へのレアアース輸出を停止したと紹介。また、「中国は資源保護を名目にレアアースの輸出を規制したことで価格は急騰し、レアアースをめぐる第1次戦争は中国が勝利を収めた」と主張した。
続けて記事は、中国のレアアース輸出規制はWTO協定に違反するとして日米欧が12年にWTOに提訴したことを紹介し、「WTOは14年4月に西側に有利な決定を下した」と主張、中国は上訴も検討したがWTOの決定を覆せる見込みがないとして上訴を見送ったと紹介した。
さらに、世界経済の低迷を背景に、レアアース需要が落ち込んだうえ、中国のレアアース輸出規制を教訓とした米国やオーストラリア、ロシアがレアアースの生産を開始したとし、「中国のレアアース生産におけるシェアもかつての97.3%から85%前後にまで低下してしまった」と指摘。さらに日本はレアアース調達先の開拓などによって中国への依存度も50%程度まで低下させたと紹介した。
一方で記事は、中国はレアアース市場における主導的地位を放棄するつもりは一切ないとし、レアアースの資源税を引き上げることで中国国内のレアアース生産量を制限し、国際市場におけるレアアース価格の反発につなげるべきだと主張。さらに、欧米は今後も中国がレアアースを戦略資源とする動きを阻止するため共同戦線を張るだろうと警戒感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの強国網はこのほど、レアアース(希土類)生産における中国の独占的地位をめぐって西側諸国が牽制を行っていると主張する記事を掲載し、レアアースをめぐる中国と西側諸国の争いは今後も続くと論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-11-12 09:30