【為替本日の注目点】円売り継続116円台を示現、株価に細心の注意
NY市場
ドル円は日本株の上昇と消費税増税を先送りするとの見方が急速に高まり114円台半ばから115円台に乗せる。欧州市場ではさらに円売りに勢いがつき116円10銭近辺までドル高が進んだが、NY市場では軟調な株価を背景に利益確定のドル売りに押され115円03銭まで下落し、115円40-50銭で取引を終える。
ユーロドルは1.24台前半から1.24台後半まで緩やかに上昇。円安が急激に進んだことから、ユーロ円は144円台半ばまでユーロ高が進行。株式市場は軟調なスタートとなったが、日欧の株価が堅調だったことから、引けに掛けては上昇に転じ、ダウは小幅ながら6日続伸。債券市場は休場。金、原油は小幅に反発。
ドル/円 115.03~ 115.94
ユーロ/ドル 1.2416 ~ 1.2498
ユーロ/円 143.70 ~ 144.50
NYダウ +1.16 → 17,614.90ドル
GOLD +3.20 → 1,163.00ドル
WTI +0.54 → 77.94ドル
米10年国債 ------- → 2.358%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏9月鉱工業生産
英 BOE、四半期物価報告
英 10月失業率
米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
日本株の大幅高と一部で報道された「消費税増税先送りと解散」の材料に、ドル円は欧州市場で116円10銭近辺まで上昇し、約7年1ヶ月ぶりの円安水準を記録しました。昨日の朝方には114円台半ばで推移していたドル円が、午後からは急速に株高と円安が進み、115円台を回復。勢いはそのまま海外市場に受け継がれ116円台まで上昇しました。
NY市場ではベテランズデーのため債券市場が休場で、連日高値を更新している株価がマイナス圏で推移したことから一転して利益確定のドル売りが強まり、115円03銭まで下落するなど荒っぽい動きが続いています。今朝方もオセアニア市場では、NY市場が115円45銭近辺で引けたにも関わらず、116円まで上昇する場面もありました。
消費税増税が先送りになれば、小売株にとってプラス要因となり株価を押し上げます。株高はドル高につながり易いことで、ドル買い円売りが強まります。また、消費税増税を先送りにすることで選挙戦を有利に進めることもでき、仮に自民党が圧勝すれば安倍政権の基盤がさらに磐石になり、「アベノミクス」を展開しやすいとの思惑も働きます。
こうなると注目されるのは、来週17日に発表される日本の第3四半期GDP速報値です。現在1.9%程度と予想されているこの値が、下振れするようだと増税先送りが現実味を帯びてきます。これから年末にかけてドル円はますます値動きが荒っぽくなりそうな予感がします。
ドル円は116円台まで上昇したことで、チャート上はなかなか上値のメドが計れません。10月15日の105円20銭を底値に、僅か1ヶ月もたたないうちに約11円のドル高円安が進んだことになります。冷静に考えればやはり上昇のスピードは速すぎると考えるのが相当だと思います。市場参加者も今回の円安のスピードに慣らされたといえなくもありません。
今後さらに円安が進む可能性は高いと思われますが、今回の様な急激な円安は望めないと認識すべきでしょう。今のところ急激な円安にも関わらず、110円を達成した時のような「円安を懸念する発言」は出ていません。その時よりもさらに6円も円安が進んだわけですから、いつそのような発言が出てもおかしくはありません。市場で生き抜くためには「人より少し早く戦場に入り、人より少し早く戦場から去る」ことが肝要です。本日のレンジは115円~116円20銭程度と予想しますが、株価の動きには細心の注意が必要です。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は日本株の上昇と消費税増税を先送りするとの見方が急速に高まり114円台半ばから115円台に乗せる。欧州市場ではさらに円売りに勢いがつき116円10銭近辺までドル高が進んだが、NY市場では軟調な株価を背景に利益確定のドル売りに押され115円03銭まで下落し、115円40-50銭で取引を終える。
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2014-11-12 09:45