【為替本日の注目点】ドル円神経質な展開、目先円売り材料出尽くし

 NY市場  ドル円は115円台でもみ合った後、株価の下落などから114円89銭までドル売りが進む。その後は長期金利の上昇と、株価が持ちなおしたことで再び115円台半ばまで反発。ユーロドルは1.24台後半まで買われたが、先安観も根強く、1.24台前半まで反落。ポンドは利上げ観測が後退したことから1.5776まで売られ、1年2ヵ月ぶりの安値を記録。   株式市場はまちまち。ダウは7営業日ぶりに下落したが、下落幅は限定的。一方ナスダックは14ポイント上昇。債券相場は10年債入札で需要が伸びなかったことで続落。長期金利は2.365%で取引を終える。金、原油は共に反落。   ドル/円 114.89~ 115.74  ユーロ/ドル 1.2419 ~ 1.2492  ユーロ/円 143.43 ~ 143.80  NYダウ -2.70 → 17,612.20ドル  GOLD -3.90   → 1,159.10ドル  WTI -0.76   → 77.18ドル  米10年国債 +0.007   → 2.365%  本日の注目イベント  中   中国 10月小売売上高   中   中国 10月工業生産   独   独10月消費者物価指数(改定値)   欧   ECB月例報告   米   新規失業保険申請件数   米   10月財政収支    ドル円は115円~116円の間で激しくもみ合っています。「ドル円はさらに上昇する」と予想するドルブル派と、「一旦は天井をつけて調整する」というドルベア派の相場観がせめぎあっていることに加え、解散と消費税増税を巡って「まだ何も決まっていない」といった発言や、追加緩和については「消費税増税が前提」と黒田総裁が発言するなど、相場を動かす材料に事欠きません。  ドル円は11日の欧州市場で116円10銭を記録してから一旦は115円03銭まで下落し、昨日の朝方には再び116円をつけた後、何度も上下を繰り返し114円89銭までドル売りが進んだ後今朝は再度115円台半ばまで戻しています。115円割れが底堅いのか、あるいは116円が天井なのか判断に迷う所です。  個人的には116円が目先の天井とも思えませんが、円安のスピードと水準、さらに移動平均線からの乖離率などを考えると、既に「調整水域」に入っていると思います。米国のQE終了に続き、予想外の黒田サプライズ、さらに消費税増税先送り観測の浮上など、円安要因の総出動で、目先の円売り材料は出尽くした印象もあります。  来週月曜日には日本の第3四半期GDPが発表されます。この値が3%を超えるようだと、消費税増税が決められる可能性が高まりますが、市場予想は2%前後との見方がもっぱらです。しかし、GDPの結果に関わらず「政局」が優先される可能性もかなり高いのではないかと思われます。ここはひとまず、ドルが下落したら買い進む余裕を持って望むことをお勧めします。  ハト派の一人であるミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は昨日の講演で「物価上昇の見通しを踏まえると、2015年に開催されるFOMC会合においても、利上げを決定するのは不適切」と述べています。同総裁はこれまでにも同じような発言を繰り返しているため、直接市場への影響はありませんでしたが、現在2015年半ばと予想されている米政策金利引き上げは、早まったわけでもありません。来年のFOMCで利上げが決定されるとすれば、年8回あるFOMCの中でも、イエレン議長が記者会見に応じる会合が有力です。  そう考えると、来年は3月、6月、9月そして12月の4回が該当しそうです。3月の会合の可能性はまず考えられないため、6月か9月が最も有力ということになります。「9月利上げ」が台頭すれば、ややドル売り円買い材料と受け止められないこともありませんが、12月ということになれば、市場はドル売りで反応することになりそうです。現在6月説が最も有力だとすれば、会合日程を考えると、利上げの時期だけでは「ドル買い材料」にはなりにくいことが見えてきます。  114円台後半まで落ちて、115円台半ばまで戻ったドル円は今日も株価の行方を見ながら神経質な展開が予想されます。荒っぽい値動きを反映して、3ヶ月のボラティリティーは足元では10.17%まで上昇し、今年2月以来の高水準です。従ってレンジ予想も的外れになりがちですが、本日は114円70銭~116円程度としたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は115円台でもみ合った後、株価の下落などから114円89銭までドル売りが進む。その後は長期金利の上昇と、株価が持ちなおしたことで再び115円台半ばまで反発。ユーロドルは1.24台後半まで買われたが、先安観も根強く、1.24台前半まで反落。ポンドは利上げ観測が後退したことから1.5776まで売られ、1年2ヵ月ぶりの安値を記録。
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2014-11-13 09:45