【為替本日の注目点】急激な円安ポジション整理警戒、株市場見極め
NY市場
ドル円は115円台でもみ合い。株価の上昇にやや買い優勢になる場面もあったが116円には届かず、115円80-85で取引を終える。ユーロドルは1.24台半ばから後半で小動き。ECBの次の政策を見極めたいとする姿勢が強まる。
株式市場は続伸。原油価格の下落でエネルギーセクターが売られたものの、全体的には買い意欲が広がりダウは40ドル上昇し最高値を更新。債券相場は3日ぶりに反発。原油安が引き続きインフレを抑制するとの見方が広がり債券価格を押し上げた。長期金利は2.35%台に低下。金は反発し、原油は大幅に下落し4年ぶりとなる74ドル台に。
新規失業保険申請件数 → 29.0万人
ド ル/円 115.31~ 115.88
ユーロ/ドル 1.2451 ~ 1.2492
ユーロ/円 ~
NY ダウ +40.59 → 17,652.19ドル
GOLD +2.00 → 1,161.10ドル
WTI -2.97 → 74.21ドル
米 10年国債 -0.015 → 2.350%
本 日の注目イベント
欧 独7-9月期 GDP(速報値)
欧 仏7-9月期 GDP(速報値)
欧 伊7-9月期 GDP(速報値)
欧 ユーロ圏7-9 月期GDP(速報値)
欧 ユーロ圏10月 消費者物価指数(改定値)
米 10月小売売上 高
米 11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
米 ブラード・セン トルイス連銀総裁講演
ドル円は日経平均株価の大幅続伸にも関わらず116円台には届きませんでした。消費税増税の延期もどうやら決まりそうな状況になってきましたが、これも既に材料としては織り込み済みとの印象もあります。一方で下値の方も限定的で、ここ数日で2回115円割れを試したものの押し戻されており、昨日は115円割れもなく、やや膠着感が出てきました。
先月末の日銀金融政策決定会合前には109円台前半で推移していたドル円は、わずか1週間ほどで約7円もの急激な円安が進みました。昨日は対ユーロでも144円台半ば、対豪ドルでも100円台後半まで円売りが進み、円は足元では「最弱通貨」になっています。年内にも量的緩和が見込まれているユーロに対しても売られていることが特徴的です。
今朝の経済紙の一面トップは「消費税10%延期へ」という見出しが踊っています。この記事がNY市場では材料視される局面もあったようですが、ドル円は115円88銭止まりで、116円には届いていません。個人的には116円から上値がやや重くなってきたとの印象が強まってきました。ドル高トレンドの継続には異論はありませんが、ここはやはりある程度の調整も必要ではないかと思われます。
本日は米国で小売売上高が発表されます。原油価格の大幅下落で消費者にとっては減税と同様な効果があると見込まれているため、個人消費も好調だろうと予想されています。この経済指標でドルが大きく売られるリスクは低いと考えますが、今日は週末です。積みあがったポジションの整理があれば、それはドル売りにつながる可能性もあります。これは為替だけではなく、株式についても言えることです。注意するにこしたことはありません。
本日のレンジは114円80銭~116円20銭程度を予想しますが、「消費税増税延期」と「衆議院解散と総選挙」という材料を、改めて株式市場がどのように消化するのかを見極めたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は115円台でもみ合い。株価の上昇にやや買い優勢になる場面もあったが116円には届かず、115円80-85で取引を終える。ユーロドルは1.24台半ばから後半で小動き。ECBの次の政策を見極めたいとする姿勢が強まる。
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2014-11-14 09:30