久世はモミ合い上放れ、出直り本格化、指標面に割安感
業務用食材卸の久世 <2708> (JQS)の株価は短期モミ合いから上放れて出直りの動きが本格化してきた。指標面の割安感に見直し余地があり、昨年5月高値も視野に入るだろう。
首都圏を地盤として、ファーストフード・ファミレス・カフェ、居酒屋・パブ、ディナーレストラン・ホテル・会館、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングなど外食・中食産業向けに業務用食材の卸売事業を展開し、大手飲食チェーンも主要顧客としている。子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソース・高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を展開している。
中期経営計画では創業85周年の20年3月期売上高1000億円、営業利益20億円を目指している。重点戦略としては首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大、全国物流ネットワークの強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、海外事業の基盤確立などを掲げている。M&Aやアライアンス戦略も活用し、中京圏では12年6月に酒類販売大手サカツコーポレーションと業務提携して販路を拡大している。海外事業では中国・成都の子会社が来期(15年3月期)単年度黒字化の見込みだ。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。既存顧客の取引量増加や新規顧客の獲得が牽引し、円安に伴う商品仕入れ価格上昇、増収に伴う物流費増加、人件費の増加などを吸収する。仕入れ価格上昇の販売価格への転嫁や代替商品の提案による粗利益率改善、新システム導入による物流効率化も進めている。営業外収益が下期に増加する収益構造でもあり、期後半に向けて収益改善が期待される。なお2月13日に第3四半期累計(4月~12月)の業績発表を予定している。
株価の動きを見ると、11月以降は概ね720円~750円近辺でモミ合う展開だったが、足元では780円近辺に水準を切り上げてモミ合い上放れの動きを強めている。1月9日には798円まで上伸して7月の戻り高値774円を突破した。出直りの動きが本格化してきたようだ。
1月15日の終値777円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると短期モミ合いから上放れ、13週移動平均線がサポートラインとして機能し始めている。低PERや低PBRに見直し余地があり、昨年5月高値899円も視野に入りそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
業務用食材卸の久世<2708>(JQS)の株価は短期モミ合いから上放れて出直りの動きが本格化してきた。指標面の割安感に見直し余地があり、昨年5月高値も視野に入るだろう。
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2014-01-16 09:15