【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】続・検査値の適正な基準値は?

  前月号で適正な検査値について記述しましたが、多くの方から具体的に適正な基準はどうすれば良いのか質問がありました。   65歳以上の方に最も問題となる検査値は、血圧・悪玉コレステロール(LDLコレステロール)・HbA1c(糖尿病の指標)です。日本人間ドック学会の新基準(男性)では、血圧:147/94mmhg,悪玉コレステロール:178~72mg/dl,HbA1c:6.03%までの上限が示されました。   しかし、健康人150万人の大規模調査研究ですが、長期追跡された研究からの基準値ではないので、現時点での信頼性には少し疑問があります。5(~10)年の追跡調査にてこの新基準に整合性があるのか結論を出すべきと思っています。現時点での私の外来での基準値を示しますが、あくまで健康な男性でありご家族に脳卒中や心筋梗塞などの方が少ない方の値です。   血圧に関しては、日本高血圧学会2014の降圧目標の、75歳以上(75歳未満):150/90mmHg(140/90)が妥当ではないかと考えます。悪玉コレステロールは日本動脈硬化学会では140mg/dl未満ですが、160mg/dlまでは魚中心の食生活で経過観察し、180mg/dl以上で薬を開始するかご相談しています。HbA1c(65歳以上の糖尿病患者)目標値は、米国糖尿病学会では7.5~8.5%未満(NGSPの国際基準値)とされています。   従来わが国ではHbA1cは一般的に6.2%未満とされてきましたが、米国とは大きな差があり、実際の外来では6.5%以下を目標としています。しかし、常に米国での基準値をお伝えすると多くの方が安心されますが、患者さん自身が油断し食べ過ぎないかと常に心配しています。   しかし、80歳以上で健常な方で少し検査値が高いからといって、何種類もの薬を出されている患者さんをみると「検査値だけを診て、人を診ていない」と感じます。今まで脳・心血管系の病気がなく頸動脈エコーなどで動脈硬化の殆どなければ、少しくらいの基準値オーバーならば運動実践や食事生活の見直しで上記検査値の適正化に努めてみてください。(元・自衛隊中央病院消化器内科部長、現在・元気会横浜病院病院長)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
前月号で適正な検査値について記述しましたが、多くの方から具体的に適正な基準はどうすれば良いのか質問がありました。
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2014-11-15 17:45