【為替本日の注目点】円売り継続、GDP踏まえ安倍総理の見解注目
NY市場
ドル円は引き続き上昇し、一時116円83銭までドル高が進行。小売売上高やミシガン大学消費者マインドが市場予想を上回り、日本の消費税増税先送り見通しも円売りに拍車をかけた。午後は株価が軟調だったため116円05銭まで下げたものの、116円台を維持して取引を終える。ユーロドルは1.24前後から反発し、1.2546まで上昇。ユーロ円の買いが活発で、ユーロドルを下支えした面もあり、ユーロドルは終始堅調に推移。
株式市場は高安まちまち。エネルギー株が反発したものの、全体では売り買い交錯。ダウは18ドル値下がりし、ナスダックは8ポイント上昇。債券相場は来年の利上げ観測が強まり、5年債と30年債の利回り曲線がフラット化。10年債利回りも2.32%とやや低下。金、原油は共に急反発。
ドル/円 116.05~ 116.83
ユーロ/ドル 1.2398 ~ 1.2546
ユーロ/円 144.77 ~ 145.64
NYダウ -18.05 → 17,634.74ドル
GOLD +24.10 → 1,185.60ドル
WTI +1.61 → 75.82ドル
米10年国債 -0.030 → 2.320%
本日の注目イベント
日 7-9月GDP(速報値)
欧 ユーロ圏9月貿易収支
米 11月NY連銀製造業景況指数
米 10月鉱工業生産
ドル円は好材料には素直に反応し、NY市場では一時116円83銭までドル高が進み、円売りの勢いは止まりません。円は対ユーロでも今朝方は146円台まで上昇し、対豪ドルでも102円台と、いずれも今年の最高値を大きく更新しています。
市場は「とにかく、円を売っておけばいい」といった雰囲気になっており、正直なところ、円安のスピードがどこで止まるのか予断を許さない状況になっていると考えられます。やや投機的と言わざるを得ません。ここからポジションメイクを行う場合には慎重さが要求されます。ロングもなかなか勇気のいるレベルですが、ショートも売りサインが出るまでは待つ必要があります。
特に先週末のNYでは、長期金利も低下し、株式市場もまちまちの動きでした。好調な経済指標が発表されたものの、その後は金や、原油なども急反発しています。一旦はポジションを閉じる動きが出たものと思われます。しかし、ドル円は今朝方も116円台半ばを超える水準で取引されており、円だけが集中的に売り込まれている印象が残ります。
確かに消費税増税を1年半ほど先送りすることは足元の景気にはプラスです。また株式市場にとっても好材料となり、株価の上昇につながります。しかし既に「追加緩和」は実施済で、いずれ引き上げられる消費税増税後の景気悪化の際の「追加緩和第二弾」の可能性は低下することになります。
さらに黒田日銀総裁は「消費税増税を実施した際の混乱には対処できるが、先送りした際の混乱には対処できない」趣旨の発言を行ってきました。これまで安倍首相は黒田総裁と足並みを揃え「デフレからの脱却」と「アベノミクスの推進」を行ってきましたが、やや歩調が合わなくなってきたとも受け取れます。本日帰国後に消費税と衆議院解散に関する見解を発表すると思われますが、非常に注目されます。
117円近辺まで上昇したドル円は、チャートをみる限り上値のメドが掴めません。意識されるのは2007年6月から7月に記録した123円67銭から124円14銭の水準と言えそうです。さすがにそこまでは距離もあり、来年の目標として見ていますが、その前の水準とすれば節目の「120円」ということになります。現在の水準から120円のどこかではポジションの巻き戻しが起こることは必至だと考えますが、その幅が1円程度なのか、あるいは5円を超えるものなのか、現段階では判断できません。しかし、これだけ急激に円安が進んだことを考えれば、ドルが反落した際にはかなりの値幅になるというのが定石かと思います。本日のレンジは115円80銭~117円程度かと予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は引き続き上昇し、一時116円83銭までドル高が進行。小売売上高やミシガン大学消費者マインドが市場予想を上回り、日本の消費税増税先送り見通しも円売りに拍車をかけた。午後は株価が軟調だったため116円05銭まで下げたものの、116円台を維持して取引を終える。ユーロドルは1.24前後から反発し、1.2546まで上昇。ユーロ円の買いが活発で、ユーロドルを下支えした面もあり、ユーロドルは終始堅調に推移。
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2014-11-17 10:00