中国のレアアース産業  環境整備で発揮できる「影響力と競争力」=中国メディア

 中国メディア・前瞻網は14日、中国のレアアース産業が大きな試練に直面する一方で、世界的な競争力や発言権は今後も長期的に持ち続けるとした評論記事を掲載した。  記事は、昨年に世界で消費されたレアアース製品の量が10万トンあまりに過ぎなかったのに対して、国外の年間生産能力規模が合計で7万トン近くに達していると紹介。今後国外の生産能力がさらに高まり、レアアースに代わる技術が普及するにつれて中国産レアアースへの依存が低下し、中国企業は試練に立たされることになるとした。  国外のレアアース生産プロジェクトがすべて実現すると、中国レアアース製品の世界市場シェアは90%から50%程度にまで減少するとし、とくに国外で主体となっている軽希土類の生産に関連する中国企業が大きな困難に直面すると論じた。  一方で、重希土類における中国の主導的地位は依然として保たれるほか、軽希土類についても、国外のレアアース生産プロジェクトの多くが埋蔵量などで未知数であること、供給過多の状況において低い生産コストの優位性を持つことから、中国は長期的には世界のレアアース市場において引き続き競争力と発言権を持ち続けると予測した。  記事はさらに、レアアース製品価格の乱高下が業界に悪影響をもたらしており、中国のレアアース業界が一時的に委縮していると紹介。その背景について「冷静に分析すれば、現在の状況は国外による大量生産によるものではない。利益を求めるばかりに業界内部が混乱しているのだ」と指摘した。そして、業界内の環境やリソースを整備することによって、初めて中国レアアース産業の世界に対する影響力や競争力を発揮できるのだと締めくくった。(編集担当:今関忠馬)(写真は前瞻網の14日付報道の画面キャプチャ)
中国メディア・前瞻網は14日、中国のレアアース産業が大きな試練に直面する一方で、世界的な競争力や発言権は今後も長期的に持ち続けるとした評論記事を掲載した。(写真は前瞻網の14日付報道の画面キャプチャ)
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2014-11-17 13:15