【為替本日の注目点】円下落再び117円台、日経上昇で上値を試すか
NY市場
ドル円は安倍首相が正式に増税延期と衆議院解散を表明したことで欧州市場では117円05銭までドル高が進む。NY市場でもドル円は一旦下げる場面はあったものの、116円台後半で堅調に推移。ユーロドルはドイツのZEW景況指数が11ヶ月ぶりに上昇したことを受けユーロ買いが強まる。1.24台後半から1.2545まで買われ、ユーロ円も146円台半ばを超える。
株式市場は続伸。好調な経済指標や活発なM&Aが支えとなり、ダウとS&P500はともに最高値を更新。債券相場は反落。インフレ期待が低下していることから売り物が優勢の展開となり長期金利は小幅に低下。金は反発し、原油は続落。
10月生産者物価指数 → +0.2%
11月NAHB住宅市場指数 → 58
ドル/円 116.33~ 117.01
ユーロ/ドル 1.2502 ~ 1.2545
ユーロ/円 145.72 ~ 146.63
NYダウ +40.07 → 17,687.82ドル
GOLD +13.60 → 1,197.10ドル
WTI -1.03 → 74.61ドル
米10年国債 -0.019 → 2.320%
本日の注目イベント
日 日銀金融政策決定会合
日 黒田日銀総裁記者会見
英 BOE議事録
米 FOMC議事録(10月28-29日分)
米 10月住宅着工件数
米 10月建設許可件数
昨日の夜7時の会見で、安倍首相は消費税増税の18ヶ月先送りと、衆議院を今週末の21日に解散することを正式に発表しました。既に報道されていた通りの内容だったため特にサプライズはありませんでしたが、欧州市場でドル円は117円05銭まで上昇する場面もありました。
多くの専門家や経済界は予定通り実施すべきとの意見が多数でしたが、GDPが2期連続でマイナスを示したことで、ここで消費税を引き上げたら「景気がさらに悪化し、元も子もない」というのが延期の理由の様に思えましたが、報道各社は今回のGDPが出る前に「増税延期と解散」を報じていました。つまり、安倍首相はとうに「増税延期と解散」を決めていたということです。
7-9月期のGDPが「-1.6%」だったわけですが、もし予想の中心値であった「+2.0%」だったら予定通り実施に踏み切っていたでしょうか?個人的には解散は想定外でしたが、増税先送りの可能性は8月ごろにはあり得ると予想していました。そしてその考えを強めたのは、10月の中旬にドル円が105円台前半まで急落し、日経平均株価が1万4500円近辺まで下げた時でした。安倍首相は「アベノミクス」を推進して来ましたが、同時に「カブノミクス」にも強い関心を持っていたとの認識からです。
ドル円はこれで2度117円台を試し、しかも同じ水準で押し戻されています。117円05銭前後が壁になっているとも思えませんが、117円台ではひとまず利益を確定しておこうと考えている市場参加者が多いということです。現に昨日のNY市場でも117円をつけた後、116円33銭まで下げる場面もあり、相場観も交錯していると思わせる局面がありました。その意味で、正式に「増税延期と解散」が決まった今日の動きが注目されます。株価は上記材料をポジィティブに捉え上昇するものと思います。日経平均株価が1万7500円を超えるようなら、再び117円台に乗せさらに上値を試す可能性もありそうです。
ただそれでも117円台のどこかではある程度利益を確保すべきではないでしょうか。テクニカルが常に正しいわけではありませんが、移動平均線からの乖離率、RSI、さらにストキャスティクスなどは、いずれも上昇のピッチが急であることを示しています。117円台が当面の高値であるかどうかは分かりませんが、今回の急激なドル高はどこかで調整が起こる可能性は高いはずです。問題は、それがいつどのようなタイミングで起きるのか判断できないことです。
本日は株価の動き、さらに午後3時半の黒田総裁の記者会見、さらにはNY市場でFOMC議録と、相場を動かす材料は盛りだくさんです。レンジは116円~117円50銭程度と広めです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は安倍首相が正式に増税延期と衆議院解散を表明したことで欧州市場では117円05銭までドル高が進む。NY市場でもドル円は一旦下げる場面はあったものの、116円台後半で堅調に推移。ユーロドルはドイツのZEW景況指数が11ヶ月ぶりに上昇したことを受けユーロ買いが強まる。1.24台後半から1.2545まで買われ、ユーロ円も146円台半ばを超える。
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2014-11-19 09:45