生命科学の進歩――人生100年時代へ
日本経営管理教育協会が見る中国 第333回--坂本晃(日本経営管理教育協会特別顧問)
● 100歳以上の日本人 5万8820人
2014年9月15日(月)敬老の日を前にして、その前の金曜日12日の厚生労働省の発表によると、内閣総理大臣からお祝い状と銀杯が贈られる「百歳高齢者表彰」の対象者(今年度中に百歳になられる高齢者)は2万9357人、前年に比べて1188人の増加で、100歳以上の日本人は5万8820人を数えるという。
日本の人口、2014年10月1日現在の総務省統計局による概算値1億2709万人に対して約0.046%、およそ20万人弱に一人が100歳以上となる。
老人福祉法が制定された1963年(昭和38年)には、100歳以上153人だったのが、半世紀で384倍になった。ちなみに同時期の平均寿命は男性67.21歳、女性72.34歳、2013年(平成25年)には男性80.21歳、女性86.61歳と2割近く寿命が延びたことになる。
地域で話題の高齢者の紹介では、高齢になってから始めた健康法、ウォーキングなどで体を動かすことや生涯現役を目指されている方が目立つ。
高度経済成長による食住の改善、世界に誇れる国民皆保険である医療保険、年金保険など社会福祉の充実がこのような結果をもたらしたものと推測される。
● 新人類誕生から20万年、20世紀で長寿命化へ
人類の誕生は猿人、原人、旧人類、新人類と発展過程をたどってきたといわれているが、新人類の誕生はおおまかには20万年前と言われている。
「人類の寿命伸長:過去・現在・未来」という2010年9月人口問題研究に掲載されたジョン・R・ウィルモスの論文によると、人類史初期の平均寿命は20~35年であったのが、20世紀に入り40~50年程度に伸び、1世紀の間に世界の最も健康水準高い国の平均寿命は約80歳となった。この伸長は、主として乳幼児の死亡がほぼ排除されたからだとしている。
現在の長寿命化は高齢者の死亡率の低下であるが、いったい何歳まで平均寿命は伸長するかについては議論の分かれるところであろう。理想的な生活をした場合の寿命は120歳という説はある。
● 生命産業の時代へ
人類は生存のために色々な技術革新を行ってきた。古くは石器の製造と利用で食べるものに活用された。次いで農業で計画的に食料を生産し、貯蓄できるようになった。この時代は人間と家畜の筋肉が主な動力であった。
1769年、ジェームス・ワットによる蒸気機関の発明は、産業革命を起こし、動力が筋肉から機械へと変貌した。さらに電力の活用は人間の生活を革命的に改善した。
20世紀後半の電子機器の発達は、人間の脳の一部を代替して、世界中に情報や通信の活用で経済の発展に大きく寄与している。
21世紀からは、人間の構造を原子レベルまで解明し、細胞を交換することによって長寿命化を図る生命産業の時代に入るであろう。
当面は生活習慣病を克服し、二度とない人生を幸福に過ごしたいものである。
写真は百年を超える中国鉄道の歴史を伝える中国(北京)鉄道博物館(2002年にオープン)。(執筆者:坂本晃・日本経営管理教育協会特別顧問 編集担当:水野陽子)
2014年9月15日(月)敬老の日を前にして、その前の金曜日12日の厚生労働省の発表によると、内閣総理大臣からお祝い状と銀杯が贈られる「百歳高齢者表彰」の対象者(今年度中に百歳になられる高齢者)は2万9357人、前年に比べて1188人の増加で、100歳以上の日本人は5万8820人を数えるという。
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2014-11-19 11:30