鉄鉱石の国際価格下落  「中国の不動産低迷」が背景に=英紙

 中国メディアの環球網は英紙の「フィナンシャル・タイムズ」を引用し、鉄鉱石の国際価格が約5年ぶりの安値まで下落している背景には「中国の不動産市場の低迷がある」と伝えた。  記事は、鉄鋼業界のデータを提供する英の「スチール・インデックス社」のデータとして、オーストラリア産の鉄鉱石価格は1トンあたり72.10米ドル(約8524円)まで下落したと伝え、今年に入ってすでに40%ほども下落していると紹介。  続けて、オーストラリア産およびブラジル産の鉄鉱石が大量に市場に供給される一方、中国の需要の伸びが緩慢になっているとした。鉄鉱石は鉄鋼の生産に必要な資源だが、記事は「鉄鉱石需要の75%を海外からの輸入に頼る中国において、不動産価格が低迷していることが鉄鉱石価格が下落している要因だ」と指摘した。  さらに記事はアナリストの分析として、「現在の価格では利益の出ない鉄鉱石は約2億トンに達する」、「2015年は年3000万トンの中国の需要を大きく上回る、1億トンの鉄鉱石が新たに市場に供給される見通し」などと伝えた。  続けて、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ銀行)が15年の鉄鉱石1トンあたりの平均価格78米ドル(約9221円)になると予測しているほか、シティバンクが短期的には50米ドル(約5911円)まで下落する可能性があると予測していると紹介。中国の不動産市場の減速が資源価格に大きな影響を及ぼしていると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの環球網は英紙フィナンシャル・タイムズを引用し、鉄鉱石の国際価格が約5年ぶりの安値まで下落している背景には「中国の不動産市場の低迷がある」と伝えた。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic
2014-11-20 09:15