キーコーヒーは調整一巡感、値上げ効果や消費再増税先送りを支援材料として出直り

  レギュラーコーヒー大手のキーコーヒー <2594> の株価は、9月22日の年初来高値1700円から反落して10月17日と10月28日に1555円まで調整したが、足元では1600円台に戻している。今期(15年3月期)利益見通しの減額修正に対するネガティブ反応は限定的で、調整が一巡したようだ。値上げ効果や消費再増税先送りも支援材料として出直り展開だろう。   コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド強化、収益力強化、グループ連携強化を3つの柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓を強化している。積極的な業容拡大戦略で中期成長が期待される。   イタリアントマトの14年9月末時点の店舗数は直営84店舗、FC224店舗の合計308店舗で、海外はASEAN地域へ積極展開している。M&Aも積極活用し、13年1月には銀座ルノアール <9853> を持分法適用会社化、14年2月にはネット通販事業拡大に向けてコーヒー豆焙煎加工販売のhonu加藤珈琲店を子会社化した。   14年9月にはイタリアの世界有数のコーヒーメーカーであるillycaffe S.p.Aと、illyブランドのレギュラーコーヒー製品全般について日本国内での独占販売契約を締結した。15年1月から販売開始する。   今期(15年3月期)第2四半期累計(4月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.8%増の275億55百万円、営業利益が同21.2%減の7億50百万円、経常利益が同15.0%減の9億87百万円、そして純利益が同31.3%減の4億93百万円だった。   セグメント別に見ると、コーヒー関連事業は売上高が同2.8%減の221億70百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同19.7%減の8億62百万円だった。市場環境の変化や夏場の天候不順の影響で販売数量が減少し、利益面ではコーヒー生豆など原材料価格の上昇が影響した。   飲食関連事業は売上高が同2.4%減の30億78百万円、営業利益が36百万円の赤字(前年同期は51百万円の利益)だった。消費増税や天候不順の影響で来客数が減少し、利益面では原材料価格上昇や人件費増加が影響した。その他事業はhonu加藤珈琲店の連結も寄与して売上高が同67.7%増の23億06百万円、営業利益が同93.7%増の2億10百万円だった。   通期の連結業績見通しは10月27日に売上高を増額修正、利益を減額修正した。前回予想(5月12日公表)に対して、売上高は2億円増額して前期比2.6%増の550億円、営業利益は3億80百万円減額して同40.5%減の9億20百万円、経常利益は3億60百万円減額して同31.0%減の13億40百万円、純利益は2億70百万円減額して同28.9%減の7億30百万円とした。第2四半期累計の実績およびコーヒー生豆相場や為替動向を踏まえて見直したとしている。配当予想は前回予想(5月12日公表)を据え置いて同1円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。   コーヒー生豆相場の動向次第で収益が変動しやすく、足元の急速な円安進行も懸念材料となるが、修正後の通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.1%、営業利益が81.5%、経常利益が73.7%、純利益が67.5%と高水準である。業務用市場でのプレミアムコーヒーの拡販、さらに11月から実施した家庭用レギュラーコーヒー製品(ブルーマウンテン製品除く)の値上げ効果も期待される。   株主優待については、毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品の詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対しては1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対しては3000円相当、1000株以上所有株主に対しては5000円相当を贈呈する。   株価の動きを見ると、9月22日の年初来高値1700円から反落して10月17日と10月28日に1555円まで調整した。しかし足元では1600円台に戻している。今期利益見通し減額修正に対するネガティブ反応は限定的で調整が一巡したようだ。   11月20日の終値1606円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円18銭で算出)は50倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1541円85銭で算出)は1.0倍近辺である。   週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線を回復して調整一巡感を強めている。値上げ効果や消費再増税先送りも支援材料として出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
レギュラーコーヒー大手のキーコーヒーの株価は、9月22日の年初来高値1700円から反落して10月17日と10月28日に1555円まで調整したが、足元では1600円台に戻している。
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2014-11-21 09:00