中国は「ルイスの転換点」を迎えたばかりなのに・・・「人口ボーナスを失うスピードは日本よりも早い」=中国メディア

中国が人口ボーナスを失い、高齢化が進んでいることについて、中国メディアの一財網は中国社会科学院の蔡昉副院長の発言として「第13次五カ年計画(2016-2020年)期間中、中国の潜在成長率は6.2%まで低下する可能性がある」と伝えた。
記事は、中国の潜在成長率予測については議論の余地があるとする一方、蔡昉副院長が19日に行われたフォーラムで日本の事例を参考にしながら「中国は2010年から生産年齢人口の伸びが止まり、非生産年齢人口が急激に増えている」と論じたことを紹介。
蔡昉副院長はフォーラム上、「日本が失われた20年を迎えることになったのは、1990年代に人口ボーナス期が終わった際に判断を誤ったため」と述べたことを紹介。日本は生産年齢人口が増えていたころは高い経済成長率を維持していたとしつつも、「1975年に日本の生産年齢人口の伸びが止まると経済成長率も低下した」と指摘した。
続けて、日本は経済減速の理由が「人口ボーナスの喪失」であることに気づかず、需要不足が原因と捉え、誤った政策を取ったと指摘。その結果としてバブルを招き、その後の「失われた20年」につながったと指摘したことを紹介した。
さらに蔡昉副院長は「中国の現在はちょうど日本の1990年ごろに相当する」とし、中国も2010年にすでに生産年齢人口の伸びが止まり、非生産年齢人口が急激に増えていると論じた。また、中国が人口ボーナスを失う速度は日本よりも速いと指摘し、工業化の過程で農業の余剰労働力が不足する「ルイスの転換点」について、1960年前後に「ルイスの転換点」を迎えた日本は、生産年齢人口の伸びが止まるまで約30年間も時間があったと紹介。
一方の中国では、2004年にルイスの転換点を迎えつつも、2012年には生産年齢人口が減少したとし、「2つの転換点の感覚があまりに短期間」と指摘。中国では日本を始めとする先進国よりも急激に高齢化が進むとし、「これは明らかに未富先老(豊かになる前に老いる)を示す現象」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) piccaya/123RF.COM)
中国が人口ボーナスを失い、高齢化が進んでいることについて、中国メディアの一財網は中国社会科学院の蔡昉副院長の発言として「第13次五カ年計画(2016-2020年)期間中、中国の潜在成長率は6.2%まで低下する可能性がある」と伝えた。(イメージ写真提供:(C) piccaya/123RF.COM)
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2014-11-24 09:15