大和小田急建設は調整一巡して9月高値試す
中堅ゼネコンの大和小田急建設 <1834> の株価は、急騰した9月3日高値960円から10月14日の直近安値635円まで調整したが、切り返しの動きを強めている。急騰後の短期調整が一巡したようだ。今期(15年3月期)の大幅増益見通しや中期的に良好な事業環境を評価する流れに変化はなく、9月高値960円を試す展開だろう。
大和ハウス工業 <1925> と小田急電鉄 <9007> が主要株主の中堅ゼネコンで、マンション建築、宅地開発、鉄道関連工事などを主力としている。公共インフラ更新関連、マンション・鉄道耐震化関連、都市再開発関連、20年東京夏季五輪関連、リニア中央新幹線関連など中期的に事業環境は良好である。
なお11月17日には、1910年(明治43年)に当社(旧野村組)が施工した千葉県成田市「成宗電車第一・第二トンネル」が、土木学会認定の土木遺産に登録されたと発表している。土木遺産は歴史的土木構造物の保存を目的として、2000年に認定制度が設立された土木学会選奨土木遺産のことである。
11月6日発表の今期(15年3月期)第2四半期累計(4月~9月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比23.1%増の280億19百万円、営業利益が15億58百万円(前年同期は6億29百万円の赤字)、経常利益が16億79百万円(同6億33百万円の赤字)、純利益が10億74百万円(同3億23百万円の赤字)だった。完成工事総利益率が4.1ポイント上昇し、不動産販売の利益も寄与して営業損益が大幅に改善した。受注高は同11.2%増の348億39百万円だった。
通期の業績(非連結)見通しについては11月6日に利益を増額修正し、最終減益見通しから一転して大幅最終増益見通しとなった。修正後の見通しは売上高が前回予想(5月8日公表)を据え置いて前期比17.5%増の700億円、営業利益が6億円増額して同55.6%増の23億円、経常利益が8億円増額して同36.4%増の24億円、純利益が5億円増額して同23.5%増の14億円とした。採算重視の選別受注の効果で手持ち工事の利益率改善が寄与する。配当予想は前回予想を据え置いて前期と同額の年間7円(期末一括)としている。
ターゲットを絞った提案型営業の強化、優位性のあるエリアでの営業展開、選別受注の徹底などで完成工事(建築事業と土木事業)総利益率が上昇し、さらに原価低減や経費削減などの効果も期待される。中期的にも事業環境は良好であり一段の高収益化が期待されるだろう。
株価の動き(4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、急騰した9月3日高値960円から10月14日の直近安値635円まで、利益確定売りや地合い悪化の影響で調整したが、その後は800円台まで戻して切り返しの動きを強めている。急騰後の短期調整が一巡したようだ。
11月21日の終値814円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS64円49銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は0.9%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS585円08銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドを継続している。今期の大幅増益見通しや中期的に良好な事業環境を評価する流れに変化はなく、9月高値960円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は、急騰した9月3日高値960円から10月14日の直近安値635円まで調整したが、切り返しの動きを強めている。急騰後の短期調整が一巡したようだ。
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2014-11-25 09:00