エスプールは目先的な売り一巡して切り返しのタイミング、14年11月期好業績見通しを再評価
人材サービスのエスプール <2471> (JQS)の株価は、10月の直近安値786円から切り返して11月12日に1180円まで上伸する場面があった。1200円近辺ではやや上値が重くなるが下値は切り上げている。今期(14年11月期)業績増額の可能性や来期(15年11月期)の好業績見通しを評価して1月の年初来高値1349円を目指す展開だろう。
ビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援サービス・農園運営、フィールド調査アウトソーシング、マーチャンダイジング)、人材ソリューション事業(コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務など人材に係わるサービス)を展開している。なお除染業務は14年3月末で撤退した。
障がい者雇用支援サービスは障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入を収益柱としている。千葉県市原市「わーくはぴねす農園 市原ファーム」では23社の企業がサービスを利用し、14年6月には千葉県長南町「わーくはぴねす農園 茂原ファーム」を新設した。高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大する方針だ。
ロジスティクスアウトソーシングサービスはネット通販市場の拡大が追い風であり、ECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。フィールド調査アウトソーシングでは電力会社が推進するスマートメーター関連業務が拡大している。14年9月には子会社エスプールエコロジーが一般建設業(電気工事業、電気通信工事業)の許可を取得した。移動通信キャリアの通信・ネットワーク機器の設置業務、電力計のスマートメーター化に関連したサポート業務の事業拡大を推進する。
また人材ソリューション事業では、コンビニエンスストア向けストアスタッフサービスを強化する。ファミリーマート <8028> のFC店舗向けに人材提供を一括で行う「人材サポートセンター」を設立することでファミリーマートと合意した。コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務に続く収益柱に育成する方針だ。
11月18日には販売促進支援サービス提供に特化した子会社エスプールセールスサポートの設立を発表した。マーチャンダイジング業務、クレジットカードなどの会員獲得業務、ウォーターサーバーなどの販売イベントブースの運営業務など、複数の事業部や子会社で提供していた販売促進支援業務を集約してサービスの付加価値向上、事業拡大、収益性向上を目指すとしている。
今期(14年11月期)の連結業績見通しは前回予想(1月15日公表)を据え置いて売上高が前期比11.8%増の60億円、営業利益が同2.3倍の1億50百万円、経常利益が同2.8倍の1億37百万円、純利益が同2.6倍の1億17百万円としている。配当予想は10月2日に6期ぶりの復配を発表して年間10円(期末一括)としている。
ロジスティクスアウトソーシングサービスにおける新規顧客獲得、つくばECセンターの本格稼動と生産性改善、障がい者雇用支援サービスにおける第2農園(茂原ファーム)開設、フィールドマーケティングの黒字化、スマートメーター関連業務の拡大、人材ソリューション事業における携帯電話販売支援業務およびコールセンター業務の好調、受注単価の上昇などが寄与して大幅増収増益見通しだ。
第3四半期累計(12月~8月)は前年同期比22.6%増収、同2.8倍営業増益、同3.3倍経常増益、同3.5倍最終増益だった。ビジネスソリューション事業で障がい者雇用支援サービスの第2農園への参画企業が想定以上のペースで増加し、スマートメーター関連業務も大幅に増加した。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が80.8%、営業利益が103.3%、経常利益が107.3%、純利益が103.4%で、利益は通期見通しを超過達成している。通期の会社見通しを据え置いているが増額は濃厚だろう。
来期(15年11月期)もロジスティクスアウトソーシングサービス、障がい者雇用支援サービス、スマートメーター関連業務などが牽引して好業績が期待される。中期経営計画では目標値として16年11月期売上高100億円、営業利益5億円を掲げている。成長分野での積極的な拡大戦略を推進する方針であり、高付加価値サービスの拡大が牽引して収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、10月15日と16日の直近安値786円から切り返し、11月12日に1180円まで上伸する場面があった。1200円近辺では上値が重くなるが下値は切り上げている。なお10月9日発表の株式立会外分売は10月20日に実施(分売株式数11万株、分売値段800円)した。
11月21日の終値1029円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円76銭で算出)は24~25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(今期第3四半期累計実績の連結BPS204円36銭で算出)は5.0倍近辺である。
週足チャートで見ると、1200円近辺ではやや上値が重くなるが、26週移動平均線を回復して800円~1000円近辺のボックスレンジから上放れの動きを強めている。今期業績増額の可能性や来期の好業績見通しを評価して1月の年初来高値1349円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
人材サービスのエスプール<2471>(JQS)の株価は、10月の直近安値786円から切り返して11月12日に1180円まで上伸する場面があった。1200円近辺ではやや上値が重くなるが下値は切り上げている。
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2014-11-25 09:15