ティー・ワイ・オーは調整一巡して7月戻り高値を試す、15年7月期増収増益見通しを評価
TV-CM制作大手のティー・ワイ・オー <4358> の株価は、概ね165円~180円近辺でボックス展開の形だが、10月17日直近安値164円から切り返してレンジ上放れの動きを強めてきた。調整が一巡したようだ。今期(15年7月期)の好業績見通しを評価して7月戻り高値195円を試す展開だろう。なお12月10日に第1四半期(8月~10月)の業績発表を予定している。
今期(15年7月期)から事業セグメントを変更して、広告事業(従来のTV-CM事業とマーケティング・コミュニケーション事業で、広告代理店向けのTV-CM企画・制作およびポスト・プロダクション業務、広告主向けWEB広告およびプロモーションメディア広告の企画・制作、クロスメディア広告業務)、映像関連事業(従来のその他事業で、アニメーションおよびミュージックビデオの企画・制作)を展開している。
今期(15年7月期)の連結業績見通し(9月11日公表)は売上高が前期比7.3%増の285億円、営業利益が同8.0%増の18億50百万円、経常利益が同12.6%増の17億円、純利益が同50.9%増の9億円としている。配当予想は年間4円(期末一括)で前期比2円減配の形だが、前期の年間6円には上場市場変更記念配当3円を含んでいるため、普通配当ベースでは1円増配となる。
主力の広告事業は自動車、電気・情報通信、飲料、衣料業界向けを中心に好調が続く見通しだ。大型案件や大口広告主からの直接受注も増加基調だ。利益面では売上原価・販管費の抑制、営業外での上場関連費用やシンジケートローン契約締結に伴う手数料の一巡、特別損失での貸倒引当金繰入額の一巡なども寄与する。
来期(16年7月期)に予定していた戦略的M&Aを前倒しで実施する可能性もあるようだ。なお9月11日に連結子会社TYOアニメーションズに対する債権放棄を発表したが、過年度において全額引当済みのため今期業績に与える影響は軽微としている。
広告市場は拡大基調であり、国内TV-CM制作業界では当社を含む大手制作3社による寡占化傾向を強めている。景気回復や20年東京夏季五輪開催も追い風となるため事業環境は中期的に良好であり、収益拡大基調だろう。
中期経営計画では目標数値として17年7月期売上高400億円、営業利益27億円を掲げ、株主還元として配当性向25%以上目標と株主優待の継続実施の方針を示している。海外展開は「ASEAN+インド」でクリエイティブ企業のネットワーク構築を目指し、現地の独立系エージェンシーに対するM&Aを検討している。
なお10月20日に株主優待制度の拡充を発表している。15年7月期については、通常株主優待であるクオカードの贈呈(毎年1月31日現在500株以上保有株主に対してクオカード1000円相当、2500株以上保有株主に対してクオカード3000円相当、5000株以上保有株主に対してクオカード5000円相当を贈呈)に加えて、当社オリジナル株主優待を継続する。オリジナル株主優待の内容については決定しだい発表する。
株価の動き(13年10月25日付でJASDAQ市場から東証2部に市場変更、14年1月30日付で東証2部から東証1部に指定替え)を見ると、7月の戻り高値195円から反落後は概ね165円~180円近辺でのボックス展開の形だが、10月17日の直近安値164円から切り返してレンジ上放れの動きを強めてきた。調整が一巡したようだ。
11月21日の終値175円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円87銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS77円18銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。調整が一巡して7月の戻り高値195円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
TV-CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東1)の株価は、概ね165円~180円近辺でボックス展開の形だが、10月17日直近安値164円から切り返してレンジ上放れの動きを強めてきた。調整が一巡したようだ。
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2014-11-25 09:15