巴工業は14年10月期減額修正による調整のほぼ最終局面、低PBRも支援材料で反発のタイミング

  化学機械メーカーの巴工業 <6309> の株価は、9月29日の年初来高値1950円から反落し、10月16日発表の前期(14年10月期)減額修正で10月17日の1685円まで調整した。その後も反発力が鈍く11月18日には1674円まで調整した。ただし以前の1600円~1700円近辺のボックスレンジに到達して調整のほぼ最終局面であり、低PBRも支援材料として反発のタイミングだろう。   遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱としている。中国ではコンパウンド加工事業も展開し、13年11月には中国の連結子会社・星科工程塑料に対するテクノポリマーおよび日本カラリングの出資持分をすべて譲り受けた。両社との資本・業務提携を解消し、当社主導で収益を立て直す方針だ。   前期(14年10月期)連結業績見通し(8月28日に売上高、営業利益、経常利益を減額修正)について10月16日に2回目の減額修正を発表した。前回予想に対して売上高は6億円減額して前期比5.6%増の403億円、営業利益は3億30百万円減額して同14.2%減の13億円、経常利益は2億20百万円減額して同3.6%減の16億20百万円、純利益は1億70百万円減額して同22.5%増の10億30百万円とした。   東南アジア向け機械販売の注文がキャンセルになる可能性が高まり、保守的な見地から約3億円の棚卸資産評価損を売上原価に計上することにした。純利益は中国のコンパウンド事業の完全子会社化に伴う負ののれん発生益計上が寄与して増益を確保する見通しだ。なお配当予想は前回予想(13年12月12日公表)を据え置いて前期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)としている。   前期は機械製造販売事業がやや低調だったが、化学工業製品販売事業は化成品分野の紫外線硬化樹脂、機能材料分野の半導体製造用セラミック製品など、比較的利益率の高い商材を中心に堅調のようだ。今期(15年10月期)については、機械製造販売事業の需要も回復基調となって好業績が期待されるだろう。   13年12月に策定した中期経営計画「Target2016」では、経営目標値として16年10月期売上高475億円、営業利益25億80百万円、経常利益26億円、純利益16億円、ROE6.3%、ROA4.4%を掲げている。重点戦略としては、北米市場、南米市場、東南アジア市場を中心とする海外売上高の拡大に加えて、機械事業ではエネルギー分野への参入、化学品事業では二次電池やパワー半導体向け商材の開拓に取り組む方針だ。   株主優待制度については、13年は4月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施したが、14年からは毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対してワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈している。   株価の動きを見ると、9月29日の年初来高値1950円から反落し、10月16日の前期2回目の減額修正で10月17日の1685円まで調整した。その後も反発力の鈍い展開で11月18日には1674円まで調整した。ただし以前の概ね1600円~1700円のボックスレンジに到達して調整のほぼ最終局面だろう。   11月21日の終値1680円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS103円22銭で算出)は16~17倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.7%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS2340円34銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。低PBRも支援材料として反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
化学機械メーカーの巴工業<6309>(東1)の株価は、9月29日の年初来高値1950円から反落し、10月16日発表の前期(14年10月期)減額修正で10月17日の1685円まで調整した。
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2014-11-25 09:15