キムラユニティーは調整一巡して切り返し、中期成長力や低PBRを評価して13年5月高値を目指す

  総合物流サービスのキムラユニティー <9368> の株価は、9月の戻り高値995円から10月の直近安値920円まで調整した。今期(15年3月期)業績見通し減額修正も嫌気した形だ。ただしその後は切り返しの動きを強め、足元では970円~980円近辺まで戻している。調整が一巡し、中期成長力や低PBRを評価して13年5月高値1030円を目指す展開だろう。   トヨタ自動車 <7203> の補給部品・KD包装、および物流請負を主力とする総合物流サービス企業である。自動車販売・リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野を中心としたシステム開発などの情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開し、13年12月には日本最大級の軽自動車販売専門店を運営するスーパージャンボを子会社化した。   物流サービス事業ではネット通販市場の拡大も追い風として、物流請負のNLS(ニュー・ロジスティクス・サービス)事業の新規顧客開拓や生産性改善を推進している。14年4月にはスズケン <9987> の物流センター業務のうち庫内物流業務を請け負うため千葉県印西市に印西事業所、14年5月には東芝ロジスティクスの物流業務を請け負うため神奈川県川崎市に川崎事業所を開設した。NLS事業は新規顧客開拓が順調に進展して今期(15年3月期)売上高見通しが80億円強となり、中期目標としていた売上高100億円の達成が視野に入っている。   海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。米国子会社は13年7月、カナダの大手自動車部品メーカーMAGNAグループのDRIVE社から倉庫内物流請負を新規受注し、さらなる受注拡大に向けて14年7月に新倉庫が竣工・稼働した。また中国では自動車保有台数の増加に伴って、中期的に補修部品需要の拡大基調が予想されている。   今期(15年3月期)第2四半期累計(4月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比10.6%増の217億94百万円と増収だったが、営業利益は同27.5%減の5億69百万円、経常利益は同26.4%減の7億51百万円、純利益は同40.4%減の3億51百万円と減益だった。消費増税の影響による物量の減少、新規事業所での想定以上のコスト増加などで、売上高・利益とも計画を下回った。   主要セグメントの動向(内部取引・全社費用等調整前)を見ると、主力の物流サービス事業は売上高が同5.1%増の142億27百万円、営業利益が同36.0%減の6億19百万円だった。中国子会社や北米子会社の増収が寄与したが、人件費の上昇や新規事業所の生産準備不足による費用増加が影響して減益だった。自動車サービス事業は売上高が同24.9%増の70億01百万円、営業利益が同40.2%増の3億65百万円だった。スーパージャンボの連結や改善活動の効果が寄与した。   通期の連結業績見通しについては、10月10日に売上高の増額修正および利益の減額修正を発表している。前回予想(4月25日公表)に対して、売上高は2億円増額して前期比10.7%増の452億円、営業利益は50百万円減額して同0.6%増の17億円、経常利益は1億円減額して同10.9%減の19億円、純利益は1億50百万円減額して同18.5%減の10億円としている。   第2四半期累計の利益計画未達を勘案して通期の利益見通しを減額したが、下期については新規事業所の費用増加の影響一巡などで、営業損益は改善に向かうようだ。ドル高・円安が進行している現状を考慮すれば、通期ベースでは営業外の為替差益も期待されるだろう。なお配当予想については前回予想(4月25日公表)を据え置いて前期と同額の年間25円(第2四半期末12円、期末13円)としている。   株主優待は毎年3月31日現在および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株数に応じて「お米券」を贈呈している。さらに500株以上を継続2年以上保有している株主に対しては、保有株数に応じて長期優待が上乗せされる。たとえば1000株以上を2年以上保有している場合は「基本優待お米券5kg+長期優待お米券2kg=合計お米券7kg」を贈呈する。   株価の動きを見ると、9月25日の戻り高値995円から10月17日の直近安値920円まで調整した。今期業績見通し減額修正も嫌気した形だ。ただしその後は切り返しの動きを強め、足元では970円~980円近辺まで戻している。調整が一巡したようだ。   11月21日の終値975円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円86銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1910円73銭で算出)は0.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると13週移動平均線を回復した。強基調に回帰した形だ。当面のターゲットは1000円台回復だが、中期成長力や低PBRを評価して13年5月高値1030円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
総合物流サービスのキムラユニティー<9368>(東1)の株価は、9月の戻り高値995円から10月の直近安値920円まで調整した。
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2014-11-25 09:15