ＯＢＡＲＡ　ＧＲＯＵＰは年初来高値を更新、１５年９月期の上ブレ期待で上値追い

　　溶接機器や平面研磨装置のＯＢＡＲＡ　ＧＲＯＵＰ <6877> の株価は、８月～１０月の直近安値圏３５００円近辺から切り返し、１１月１４日には４８７０円まで上伸して年初来高値を更新した。今期（１５年９月期）の減益見通しに対するネガティブ反応は限定的であり、為替のドル高・円安進行も好感して今期業績見通しの上ブレを期待する動きのようだ。強基調に転換して上値追いの展開だろう。 　　自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、エレクトロニクス業界向け平面研磨装置や洗浄装置を主力とする平面研磨装置関連事業を展開している。 　　１１月１０日に発表した前期（１４年９月期）の連結業績は、売上高が前々期比２３．８％増の４７７億６１百万円、営業利益が同４２．３％増の８９億３８百万円、経常利益が同３１．５％増の９６億５６百万円、そして純利益が同３４．７％増の６１億８６百万円だった。前回予想数値（３月２７日に増額修正）を売上高、利益とも大幅に上回った。 　　配当予想（８月２５日に増額修正）については年間７０円（第２四半期末普通配当２０円、期末５０円＝普通配当４０円＋記念配当１０円）とした。前々期の年間５０円（第２四半期末普通配当１０円、期末４０円＝普通配当３０円＋記念配当１０円）との比較では２０円増配である。 　　セグメント別動向を見ると、溶接機器関連事業は売上高が同３０．６％増の３４１億４１百万円、営業利益（全社費用等調整前）が同４７．６％増の７４億１０百万円だった。自動車メーカーの積極的な増産投資を追い風に需要が高水準だった。平面研磨装置関連事業は売上高が同９．５％増の１３６億４４百万円、営業利益が同２４．１％増の１９億６０百万円だった。エレクトロニクス関連業界で設備投資や生産活動が回復傾向を強めた。 　　今期（１５年９月期）連結業績見通しは売上高が前期比０．８％減の４７４億円、営業利益が同５．５％減の８４億５０百万円、経常利益が同１１．５％減の８５億５０百万円、純利益が同１１．１％減の５５億円としている。なお想定為替レートは１米ドル＝１０７円としている。 　　配当予想は年間６０円（第２四半期末３０円、期末３０円）としている。前期のとの比較では記念配当１０円を落としたが、普通配当ベースでは前期と同額である。 　　会社の見通しは減収減益見通しだが、期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強く、為替の見通しも保守的だ。国内外で自動車関連を中心に設備投資需要が高水準であり、溶接機器関連事業の好調推移が予想される。平面研磨装置関連事業もエレクトロニクス関連業界向けが回復基調だろう。為替のドル高・円安進行も追い風であり、会社見通しには上振れ余地が大きいだろう。 　　株価の動きを見ると、８月～１０月の直近安値圏３５００円近辺から切り返しの展開となり、１１月１４日には４８７０円まで上伸して年初来高値を更新した。今期の減益見通しに対するネガティブ反応は限定的であり、為替のドル高・円安進行も好感して今期業績見通しの上ブレを期待する動きのようだ。 　　１１月２１日の終値４６６５円を指標面で見ると、今期予想連結ＰＥＲ（会社予想連結ＥＰＳ２８４円９７銭で算出）は１６～１７倍近辺、今期予想配当利回り（会社予想の年間６０円で算出）は１．３％近辺、前期実績ＰＢＲ（前期実績連結ＢＰＳ１９５９円１７銭で算出）は２．４倍近辺である。日足チャートで見る２５日移動平均線、週足チャートで見ると２６週移動平均線を突破して上伸した。強基調に転換して上値追いの展開だろう。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）