強烈な「風水信仰」を持つ中国人 <奇抜なビル>の理由は風水にあった

■趣味レベルではない風水
風水学自体は中国で生まれたものですので、中国人が風水を生活の中に取り入れている事には何ら違和感を覚えるものではありませんが、その「採り入れ具合」は極めて濃厚で、私たち日本人には到底想像がつかないほどです。
日本では、若い女性などが玄関に置く小物を風水グッズに替えてみたり、部屋のカラーリングなどに風水の要素を取り入れて楽しんだりする「趣味レベル」ですが、中国の風水は日本とは全く事情が異なります。
新居を購入する中国人カップルなどは、部屋を内覧する際にはじっくりと部屋の風水の鑑定をして(時には建物自体の風水も完全鑑定します)、納得がいった場合にのみ購入を決断をします。
親類縁者を辿って、風水に詳しい人(中国では風水鑑定のビジネスは禁止されています)を同行させて風水鑑定を行ってもらい、多額の「袖の下」を支払うことも珍しくはありません。
マンションを購入する際に、間取りや価格、交通の便よりも風水を第一に考える点は、我々日本人には非常にユニークに映ります。
■ビジネスの現場での風水!
これがさらに上流域に上って、ユーザーではなく不動産業者やディベロッパーのレベルになっても、その傾向は全く変わりはありません。
オフィスビルを借りようとする社長さん、工場を借りようとする社長さんは、殆どが風水の専門家の鑑定を受けてから購入の決断を行いますし、風水が気に入らない場合などは、ドアの場所や窓の場所などの改修を購入の条件に加えることも、ままあります。
ディベロッパーがビルの開発を行う際にも、建築士と風水の専門家が同席する事は珍しいことではなく、ビジネスの現場でも風水が重視されている事が良く分かります。
建築士が機能性を主張しても、9割方風水専門家の意見が採用される点には、中国の奥深さを感じざるを得ません。中国の都市を訪れると、奇抜な形をしたビルや、おかしなオブジェが屋上に乗っかっているビル、日本では考えられないような内装が施されたオフィスビルなどを方々で見かけます。これらは全て風水ロジックに基づいて設計がなされ、デザインがなされているのです。
奇抜なデザインに訝しがりながら「何だあの変なデザインは?」などと質問をしようものなら、「お前は風水を何も知らないのか? 日本人はレベルが低いなあ」とやり返されてしまいます。「お国柄」と考え文化の違いを楽しむスタンスでいる事が大切です。(執筆者:高橋 亮 提供:中国ビジネスヘッドライン)
風水学自体は中国で生まれたものですので、中国人が風水を生活の中に取り入れている事には何ら違和感を覚えるものではありませんが、その「採り入れ具合」は極めて濃厚で、私たち日本人には到底想像がつかないほどです。
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2014-11-25 10:00