オンコリスは相次ぐパイプラインの臨床試験進展を評価して続急伸

  オンコリスバイオファーマ <4588> (東マ)は、84円高の1067円と続急伸して始まっている。同社株は、前日25日寄り付き前に新規分子標的抗がん剤「OBP-801」のPhase1臨床試験の開始をアメリカ食品医薬品局(FDA)に申請したと発表してストップ高したが、これに先立って今年11月19日にも腫瘍溶解ウイルス「OBP-301」による肝細胞がんを対象とする台湾での第1/2相臨床試験開始を発表しており、相次ぐパイプラインの開発進展を手掛かりにバイオ関連の材料株買いが増勢となっている。前日のほか今年6月、8月にも国内特許査定などを材料に連続ストップ高した急騰習性の再現思惑を一段と高めている。 ■台湾の「OBP-301」に続き米国で「OBP-801」の臨床試験   「OBP-801」は、2009年10月にアステラス製薬<4503>(東1)からライセンス導入し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金を活用し前臨床試験を行ってきた腎臓がんの分子標的剤で、FDAに申請した臨床試験では、他の治療法に抵抗性を示す進行性の固形がん患者に対して点滴静脈注射により投与し、安全性、予備的有効性などを評価する。   一方、台湾で開始する「OBP-301」の臨床試験は、現在の肝細胞がん治療法の外科的手術や肝動脈化学塞栓療法、エタノール注入療法などの局所治療や、ネクサバール錠による薬物療法の効果が不十分な症例が多いことから、同社が開発、日本や米国、欧州で物質特許を取得した同ウイルスをMedigen社(台湾)と共同で台湾の治療実施機関において被験者の投与、最大102例の組み入れにより安全性と探索的な抗腫瘍効果を検討することを目的にしている。同社は、この2つの臨床試験に加えて、HIV感染症治療薬「OBP-601」のPhaseⅡb試験も続けており、3本のパイプラインの臨床試験を行っている。   業績は、今年4月に米製薬大手のブリストル・マイヤーズとの「OBP-601」に関する提携解消で、今12月期第2四半期(2Q)累計・通期業績を下方修正、通期純利益を10億3100万円の赤字~2億800万円の赤字(前期は6億3500万円の赤字)と連続の赤字を予想しているが、このうち2Q累計利益は、NEDOや科学技術振興機構(JST)からの助成金収入5107万円の計上などで5600万円~6500万円上ぶれて着地し赤字幅を縮小させた。 ■8月の戻り高値から日柄で3カ月、値幅で42%と調整一巡感を示唆   株価は、米製薬大手ブリストル・マイヤーズとの提携解消・業績下方修正で突っ込んだ上場来安値556円からOBPー301の日本特許査定で2日連続のストップ高、8月には血中浮遊がん検査薬「OBP-1101」の学会発表を先取りして3日連続のストップ高して1310円と底上げ、この底上げ幅の3分の2押し水準まで再調整、前日のストップ高では上値抵抗線となっていた25日移動平均線を大きく上放れた。テクニカル的に8月の戻り高値から日柄で3カ月経過し、値幅で42%安と調整一巡感を示唆しており、一段の戻りに挑戦しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は、84円高の1067円と続急伸して始まっている。
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2014-11-26 10:30