自動車市場で「世界一」の中国 自動車生産で「一流」になれない理由=中国メディア

中国メディアの中国経済網は11月24日、中国の自動車市場が2013年まで5年連続で世界最高の販売台数を記録していることを紹介する一方で、「この輝かしい数字の裏に隠れた真実」として国内ブランドと外国ブランドとの差について論じた記事を掲載した。
記事は、自動車工業は国の工業化レベルや経済の実力、科学技術革新力を示す重要な指標であるとし、自動車産業の総生産が世界の総生産額の10%以上を占めていることを紹介。そのうえで、年間自動車販売数2000万台という数字の裏に隠された「現実」について伝えた。
まず、トヨタやフォルクスワーゲン、GMを含む10大外資ブランドの販売数が1200万台と、総販売数の約6割を占めていることを紹介。世界における自動車販売数で見ても、乗用車において自主ブランド1位となった吉利ですら49万台と、998万台を売ったトヨタのわずか5%ほどにしかならないとした。
続いて、車両の価格や付加価値を決定づけるエンジンや変速機、ブレーキ系統といった重要部品についても、日本と米国、ドイツのメーカーが独占状態にあり中国メーカーの付け入る隙がないことを挙げた。また、「なんの技術的成分を持たない」タイヤの世界販売数でも中国内地メーカーは10位に入るのがやっとの状態であると論じた。
さらに、外資メーカーは省エネ、安全性、スマート化といった技術開発においても国内メーカーをリードしているとした。
記事はそのうえで、「世界1位の生産販売数は、わが国の自動車工業が持つ真のレベルを示すものではない」と結論づけた。そして、投資先や発展の方向性を転換し、自動車の核となる部品の研究開発を重視することことが「自主ブランド唯一の活路」であるとし、これが実現しなければ「わが国の自動車工業は長きにわたって『組み立て工場』の役割を演じることになるだろう」と警鐘を鳴らした。
記事によると、自動車全体への投資額と部品への投資額の割合が先進国では1:1.3から1:2の間であるのに対し、中国では1:0.4と明らかに少ない状況であるという。(編集担当:今関忠馬)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国メディア・中国経済網は11月24日、中国の自動車市場が2013年まで5年連続で世界最高の販売台数を記録していることを紹介する一方で、「この輝かしい数字の裏に隠れた真実」として国内ブランドと外国ブランドとの差について論じた記事を掲載した。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2014-11-26 17:30