豪ドル急落!豪州経済が悪化した本当の理由=為替王
豪ドルが昨日急落。豪ドル/米ドル(AUD/USD)相場は2010年8月以来、約3年5カ月ぶりの安値(0.87台)を記録しました。背景を解説いたします。
きっかけは豪雇用統計です。豪州の雇用者数は増加することが期待されていましたが、昨朝発表された直近の雇用者数は予想を大きく裏切りマイナス(前月比-2.2万人)でした。もともと豪州は景気が減速しており、景気サポートの目的で金利を段階的に引き下げてきました。2011年に最高4.75%だった豪政策金利は、現在、過去最低の2.5%です。今回の雇用統計が悪かったことを受けて、来月以降、追加利下げ実施の見通しが強まるかもしれません。
昨日の為替市場において、景気が減速している事実と、今後の追加利下げの思惑から豪ドルが売られました。AUD/USDの為替レートは昨年後半すでに0.90を割れるほど下がっていましたが、それでも豪当局者は「豪ドルは不快なほど高い」と発言しており、昨日急落したといっても、まだ豪州経済にとって好ましい水準には至っていないと思われます。豪州は前政権(中道左派の労働党政権)が、反日的な発言と政策を繰り返すほど、中国べったりで、対中貿易強化により経済成長を遂げました。しかし最近、中国経済は失速しており、豪州も中国に依存してきたツケが回ってきていると考えられます。今回、あらためて豪雇用統計が悪いことが確認できましたが、それはすなわち豪州が依存してきた中国経済も状況が悪化しているのだろうと推測されます。
豪州の政治は、昨年9月の総選挙で政権交代してからは、急に親日的な対応を見せ始めました。それにより豪州経済も上向くことが期待されましたが、さすがにこの短期間で前政権の負の遺産を帳消しにすることはできなかったようです。今後は、現政権がどこまで経済構造を改善できるのかが焦点になりそうです。(執筆者:為替王)
豪ドルが昨日急落。豪ドル/米ドル(AUD/USD)相場は2010年8月以来、約3年5カ月ぶりの安値(0.87台)を記録しました。背景を解説いたします。
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2014-01-17 08:45