チョコレートで健康生活、蒲郡市の大規模実証研究で動脈硬化に予防効果を確認

 蒲郡市、愛知学院大学、明治は、蒲郡市のヘルスケア計画の第一弾施策として、産官学共同でチョコレートの摂取による生活習慣病の予防・改善効果を調べる日本で初めての大規模な実証研究を実施し、2014年11月24日、愛知県・蒲郡市民会館で開催した蒲郡市民講座「チョコレートの機能性と健康生活」で、実証研究中間報告会を開催した。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの健康効果として、愛知学院大学心身科学部の大澤俊彦教授は「血圧低下のほか善玉(HDL)コレステロールの増加を通じて、動脈硬化の予防に向けて効果が期待できる。期待していた以上の結果が得られた」と発表した。(写真は実証研究の中間報告をする愛知学院大学心身科学部の大澤俊彦教授、サーチナ撮影)  実証研究では、蒲郡市民を中心とする347人を対象に、ポリフェノールが多く含まれているチョコレートとして明治の「チョコレート効果 CACAO72%」を4週間にわたって毎日1日25グラム、摂取する時間帯は指定せずに毎日摂取してもらった。さらに、チョコレート摂取前と4週間にわたって摂取した後の血圧や血液成分などの変化を測定した。  チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが血圧に与える影響について、被験者を高血圧群と正常血圧群に分けてチョコレート摂取前後の血圧の変化を検証した。4週間にわたってチョコレートを摂取したところ、被験者全体の最高血圧の平均値が125mmHg、最低血圧の平均値が78.8mmHgだったものが、最高血圧の平均値が122.7mmHg、最低血圧の平均値が76.9mmHgに低下した。  大澤教授は「チョコレート摂取前後において、血圧低下が統計的に有意に認められた」と述べ、特に高血圧の人ほど血圧の低下幅が大きかったと語った。  さらに、4週間にわたってチョコレートを摂取した結果、悪玉(LDL)コレステロールを血中から排除する働きを持つ善玉(HD)コレステロールも67.9mg/dlから69.7mg/dl上昇し、統計的に有意な結果が確認された。悪玉(LDL)コレステロールは動脈硬化をもたらす原因の1つとされ、大澤教授は「動脈硬化の予防に向けて効果が期待できる」と期待を示した。  さらに、被験者が毎日摂取した25グラムのチョコレートは、パンであれば1枚分、おにぎりであれば2個程度のカロリー(約150kcal)に相当するが、4週間の実証研究の結果、被験者の体重およびBMIに有意な変化は見られなかった。また、健康調査アンケートの結果、「活力があふれていた」、「楽しく、穏やかな気分だった」などの回答が得られたとし、大澤教授は「チョコレートには特に精神面で活動的になる効果も期待できる」と語った。  大澤教授によれば「チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは血管を滑らか且つしなやかにする効果があり、正常な血流を保つうえで有益」とし、チョコレートを摂取することで持続性のある血圧降下作用が期待できると語った。さらに大澤教授は今回の実証研究について、日常的に入手できるチョコレートと十分に摂取可能な量で、どれだけの健康効果が得られるかを検証したという点で非常に画期的だと指摘。「最近はカロリーが低く、ポリフェノールの多い、おいしいチョコレートが販売されている。こうしたものを 1日25グラム程度食べることを新たな習慣にしてほしい」と語った。  市民講座では、実証研究中間報告会の後、蒲郡市の稲葉正吉市長、エッセイストの楠田枝里子さん、実証研究の被験者でもある名古屋大学大学院経済研究家の佐藤宣之教授らが加わったパネルディスカッションを実施し、チョコレートの生活習慣病の予防・改善に関する研究成果や、日常的な健康づくりなどについて話し合った。(編集担当:サーチナ・メディア編集部)
蒲郡市、愛知学院大学、明治は、蒲郡市のヘルスケア計画の第一弾施策として、産官学共同でチョコレートの摂取による生活習慣病の予防・改善効果を調べる日本で初めての大規模な実証研究を実施し、2014年11月24日、愛知県・蒲郡市民会館で開催した蒲郡市民講座「チョコレートの機能性と健康生活」で、実証研究中間報告会を開催した。
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2014-11-27 09:15