トレジャー・ファクトリーは12月5日付で東証1部へ、今期業績増額期待も支援材料で上値追い

  リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー <3093> (東マ)の株価は、10月30日の高値2570円から11月14日の2075円まで利益確定売りで一旦反落したが、素早く切り返して2400円近辺まで戻している。中期成長力を評価する流れに変化はないようだ。12月5日付で東証1部に市場変更することや、今期(15年2月期)業績の増額期待も支援材料であり、上昇トレンドを継続して上値追いの展開だろう。   首都圏を中心に総合リユースショップ(総合業態)や服飾専門リユースショップ(服飾業態)などを直営とFCで展開している。前期(14年2月期)末の店舗数は、直営総合業態47店舗、直営服飾業態21店舗、新業態の古着アウトレット1店舗、FC総合業態4店舗の合計73店舗だった。   関西圏への新規出店を加速させ、13年5月総合業態の関西1号店・神戸新長田店、13年10月服飾業態の関西1号店・尼崎店、14年3月関西3号店で大阪府初出店となる総合業態・岸和田店、7月大阪2号店となる総合業態・八尾店、11月大阪府3号店となる総合業態・東大阪店をオープンした。また新業態のスポーツ・アウトドア用品専門リユースショップ「トレファクスポーツ」は1号店の青葉台店(横浜市)を9月にオープンしている。   ネット通販も強化して13年4月に楽天市場へ出店した。また新規事業では10年10月からブランドバッグ&ファッションのオンラインレンタルサービス「Cariru」を運営し、14年7月にはマタニティドレスのレンタルサービスも開始した。   さらに14年10月には、ファーストザウェーブ(東京都港区)のネット上のファッションリユース分野に強みを持つ「ブランドコレクト」事業を譲り受けた。譲受の内容は「ブランドコレクト」のウェブサイト、フルフィルメントセンター1拠点、ブランドコレクト原宿店1店舗である。ネットでの事業展開を加速するとともに、都心型店舗の新業態を追加してファッションカテゴリーを強化する方針だ。   今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(4月11日公表)を据え置いて売上高が前期比10.8%増の101億11百万円、営業利益が同4.3%増の7億40百万円、経常利益が同3.1%増の7億53百万円、純利益が同4.5%増の4億36百万円としている。配当予想(14年9月1日付の株式2分割に伴って修正)は年間11円(期末一括)としている。株式2分割を考慮すると実質的に前期比2円増配となる。   テレビCM効果による知名度上昇、新規出店(年間10店舗程度)、既存店の収益力強化、一般買取の強化、ネット事業の強化などで増収増益見通しだ。新規出店費用などを考慮して通期見通しを据え置いたが、第2四半期累計(3月~8月)は前年同期比16.2%増収、同55.3%営業増益、同54.3%経常増益、同53.3%最終増益の大幅増収増益で計画を上回った。そして通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.6%、営業利益が57.8%、経常利益が59.0%、純利益が55.7%と高水準である。月次売上は好調であり、通期業績見通しも増額が濃厚だろう。   月次売上(直営店の店舗売上、前年比速報値)を見ると、14年10月は全店114.4%、既存店105.8%だった。今期最も高い伸び率だった9月に比べて伸び率は鈍化したが、衣料・服飾雑貨や販売単価の高い生活家電が引き続き好調に推移している。既存店は8ヶ月連続の前年比プラスだった。また10月の新規出店は2店舗(事業譲受1店舗を含む)で、14年10月末時点の店舗数は合計79店舗となった。   リユース市場は拡大基調であり、中期成長に向けて直営店舗網の拡大や業態の多様化を加速させる方針だ。首都圏や関西圏を中心に年間10店舗程度の新規出店で100店舗体制構築を当面の目標としている。既存店の収益力強化策や新業態・新規事業の積極展開も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。   なお11月14日に、12月5日付で東証マザーズ市場から東証1部市場へ市場変更すると発表している。これに伴って12月2日~4日の間に立会外分売を実施する。分売予定株式数は20万株で、分売値段は分売実施日前日の終値または最終気配値を基準として決定する。   株価の動き(14年9月1日付で株式2分割)を見ると、10月30日の高値2570円から11月14日の2075円まで利益確定売りで一旦反落したが、素早く切り返して2400円近辺まで戻している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、長期上昇トレンドを継続しているようだ。   11月26日の終値2335円を指標面(株式2分割後)で見ると、今期予想PER(会社予想EPS78円46銭で算出)は29~30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は0.5%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮したBPS438円36銭で算出)は5.3倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって長期上昇トレンドの形だ。東証1部への市場変更や今期業績見通し増額期待も支援材料であり、上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー<3093>(東マ)の株価は、10月30日の高値2570円から11月14日の2075円まで利益確定売りで一旦反落したが、素早く切り返して2400円近辺まで戻している。
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2014-11-27 09:30