ピックルスコーポレーションは14年7月の戻り高値突破して上昇トレンド確認

  漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション <2925> (JQS)の株価は、10月30日に872円を付けて7月の戻り高値865円を突破した。その後11月17日の840円まで一旦調整したが、素早く切り返して890円台まで上伸している。上昇トレンドを確認した形だ。15年2月期業績上振れの可能性、低PERや低PBRも評価して13年10月高値995円を目指す展開だろう。   漬物・浅漬・キムチなど漬物製品の最大手メーカーで、主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が大幅に向上して収益力が高まっている。セブン&アイ・ホールディングス <3382> などの大手量販店・コンビニエンスストアが主要取引先であり、ブランド力向上と新製品積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などで中期成長期待が高まっている。   事業エリア拡大や供給能力増強に向けた動きも加速し、中・四国エリアでは広島新工場(ピックルスコーポレーション関西)、北海道エリアでは既存の食品工場を買い取った札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)が稼動している。   今期(15年2月期)の連結業績見通しは前回予想(4月15日公表)を据え置いて売上高が前期比6.4%増の273億円、営業利益が同32.5%増の11億30百万円、経常利益が同26.0%増の12億25百万円、純利益が同21.3%増の7億38百万円、配当予想が前期と同額の年間12円(期末一括)としている。   全国の製造・販売拠点を活用した営業活動、積極的な広告宣伝・販売促進活動、新製品開発・投入や他の食品メーカーとのコラボレーションなどの効果で既存取引先への拡販や新規取引先の開拓が進み、キムチ製品や惣菜製品の販売が好調に推移する。増収効果による売上総利益の増加、天候不順による原料野菜仕入価格高騰という一過性マイナス要因の一巡、原価改善活動の効果、さらに販管費でのテレビCMなど広告宣伝費の集中投入も一巡して営業増益見込みだ。   第2四半期累計(3月~8月)は天候不順による野菜価格高騰の影響や、子会社ピックルスコーポレーション札幌の旧工場の固定資産減損損失計上などで前年同期比12.0%営業減益、同16.7%経常減益、同50.3%最終減益だったが、売上高は前年同期比4.8%増収と好調であり、営業利益も計画を上回る水準だった。   通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.7%、営業利益が59.9%、経常利益が58.7%、純利益が36.5%で、営業利益と経常利益の進捗率は高水準である。野菜価格が落ち着けば通期営業利益上振れの可能性が高まるだろう。   キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓、事業エリア拡大と供給能力増強、契約栽培拡大などによる原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直しなど重点戦略を着実に推進している。中期的に収益拡大基調だろう。   なお10月16日に発表したTOB(株式公開買付)による自己株式取得は11月17日に終了した。買付価格725円、買付予定数140万株に対して応募数140万株、買付数140万株だった。この結果、第1位株主の東海漬物の保有割合が27.20%に低下して親会社に該当しないことになり、その他の関係会社に該当することになった。親会社の経営戦略の影響を受けずに当社独自の経営判断で企業価値向上を図ることのできる体制を構築する方針だ。   株価の動きを見ると、8月~9月の直近安値圏760円~800円近辺でのモミ合いから上放れ、10月16日発表のTOBも好感して水準切り上げの動きを強めている。10月30日には872円を付けて7月の戻り高値865円を突破した。その後11月17日の840円まで一旦調整したが、素早く切り返して足元では890円台まで上伸している。   11月26日の終値890円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円54銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1146円90銭で算出)は0.8倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドを確認した形だ。15年2月期業績上振れの可能性、さらに低PERや低PBRも評価して13年10月高値995円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、10月30日に872円を付けて7月の戻り高値865円を突破した。
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2014-11-27 09:30